大坂なおみ3回戦敗退 “一人相撲”に走らせた前年覇者の重圧

公開日: 更新日:

■「感情を抑制できるのは時間がかかる」

 この日の大坂は序盤からミスを連発。第2セット第2ゲームでブレークバックして波に乗るかと思ったが、ミスは止まらない。完全なひとり相撲で自滅した。

「大坂はディフェンディングチャンピオンとしての意識が強かったようです。去年の全米でタイトル防衛に失敗、今回の全豪で前回大会で得た2000ポイントをディフェンドしなければトップ10から落ちるという意識が、体を硬くさせたのでしょう。これまで5回のツアー優勝はグランドスラムと、それに次ぐ格付けの大きな大会がほとんどで、素質と勢いで勝ってきた。十分な経験値があって勝ち上がったわけではない。大会数をこなして、感情のコントロールができるようになるには少し時間がかかるのではないか」(前出の武田氏)

 大坂は一昨年の全米に続き、昨年の全豪も勝って世界ランク1位に上り詰めた。現時点では4位だが、昨年の今大会を勝っているだけに大会終了後に2000ポイントを失う。早い段階で負ければ、新たに得られるポイント数は少なく、トップ10から脱落するかもしれないというプレッシャーが、体を硬直させ、ミスを生んだ。大きな大会を勝っているがゆえに、負ければ失うポイントもデカい。その恐怖を克服するだけの経験値が、大坂にはまだ足りないようなのだ。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    新生阿部巨人は早くも道険し…「疑問残る」コーチ人事にOBが痛烈批判

  2. 2

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  3. 3

    阪神「次の二軍監督」候補に挙がる2人の大物OB…人選の大前提は“藤川野球”にマッチすること

  4. 4

    阪神・大山を“逆シリーズ男”にしたソフトバンクの秘策…開幕前から丸裸、ようやく初安打・初打点

  5. 5

    巨人桑田二軍監督の“排除”に「原前監督が動いた説」浮上…事実上のクビは必然だった

  1. 6

    創価学会OB長井秀和氏が明かす芸能人チーム「芸術部」の正体…政界、芸能界で蠢く売れっ子たち

  2. 7

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  3. 8

    大谷翔平の来春WBC「二刀流封印」に現実味…ドジャース首脳陣が危機感募らすワールドシリーズの深刻疲労

  4. 9

    大死闘のワールドシリーズにかすむ日本シリーズ「見る気しない」の声続出…日米頂上決戦めぐる彼我の差

  5. 10

    ソフトB柳田悠岐が明かす阪神・佐藤輝明の“最大の武器”…「自分より全然上ですよ」