理想の打順を「1番から9番までイチロー」と答えた野村監督

公開日: 更新日:

「王になあ、みんな持ってかれた。本塁打、打点でしょ。オレの記録なくなっちゃった」

 通算打撃成績を、5歳下の後輩・王に抜かれた。そのことを話すのに悔しそうではなかった。しょうがないよと、あきらめた口調で反発心などみじんも感じさせなかった。打撃成績に関しては、あきらめのつくほど数字の差は大きく、敗北感をおぼえるレベルにはなかったようだった。

 王貞治の人間性や真摯な態度に好感を持っていた。長嶋茂雄とは違うタイプだった。巨人を去った野球人というので、監督としてライバル心を持つ相手でもなかった。

 むしろ、監督としてはオレのほうが上と、それは実績も証明していることで、この優越感が打撃成績の敗北感を凌駕していたと思う。それは、野球観の違いを聞いたとき、はっきり知らされた。

 王監督は理想のオーダーを聞かれて言った。

「そりゃあ、全員ホームランバッターがいいよ。1番から9番まで」

 ホームランの魅力については、「一打で1点でしょ。効率いいよね。ホームラン打ってベース一周するでしょ。相手、だれも動けないんだよね。あれはいい気分だったね」と、素直に朗らかに言う。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  2. 2

    マエケンは「田中将大を反面教師に」…巨人とヤクルトを蹴って楽天入りの深層

  3. 3

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  4. 4

    SBI新生銀が「貯金量107兆円」のJAグループマネーにリーチ…農林中金と資本提携し再上場へ

  5. 5

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  1. 6

    陰謀論もここまで? 美智子上皇后様をめぐりXで怪しい主張相次ぐ

  2. 7

    白木彩奈は“あの頃のガッキー”にも通じる輝きを放つ

  3. 8

    渋野日向子の今季米ツアー獲得賞金「約6933万円」の衝撃…23試合でトップ10入りたった1回

  4. 9

    12.2保険証全面切り替えで「いったん10割負担」が激増! 血税溶かすマイナトラブル“無間地獄”の愚

  5. 10

    日本相撲協会・八角理事長に聞く 貴景勝はなぜ横綱になれない? 貴乃花の元弟子だから?