著者のコラム一覧
鈴村裕輔野球文化学会会長・名城大教授

1976年、東京都出身。法政大学博士(学術)。名城大学外国学部教授。主な専門は政治史、比較思想。野球史研究家として日米の野球の研究にも従事しており、主著に「MLBが付けた日本人選手の値段」(講談社)がある。スポーツを取り巻く様々な出来事を社会、文化、政治などの多角的な視点から分析している。アメリカ野球学会会員。

「感染症との戦争」で愛国心を煽りたいトランプと大リーグ

公開日: 更新日:

 3月初旬に「万全の態勢が整えられている」と強調していたドナルド・トランプが、「現在の米国は戦争状態にある」と発言したのは3月18日のことだった。

■「力強い大統領」を演出

 米国疾病対策予防センター(CDC)は、2月初旬の時点で米国における新型コロナウイルスの感染の拡大が確実に起こることを警告し、十分な対策を講じることが必要であると指摘していた。それにもかかわらず2万人近い感染者と200人を超える死者が出ていることは、トランプ政権の初期の対策が不十分であったことを示している。

 それだけに、トランプが新型コロナウイルスの感染の拡大を「戦争」とし、「戦時下の大統領」と名乗ることは、「初動の遅れ」を挽回するだけでなく、「力強い大統領」の像を演出しようとする思惑をほのめかす。

 例えば、フランクリン・ルーズベルトは1941年に第2次世界大戦に参戦したことで世界大恐慌後の景気後退から立ち直るとともに、「有事」「戦時」を理由に史上唯一大統領に4選され、「米国史上屈指の偉大な大統領」として今も国民の尊敬を集めている。

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