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武田薫スポーツライター

1950年、宮城県仙台市出身。74年に報知新聞社に入社し、野球、陸上、テニスを担当、85年からフリー。著書に「オリンピック全大会」「サーブ&ボレーはなぜ消えたのか」「マラソンと日本人」など。

五里霧中の東京五輪 カギ握るのは次期IOC会長候補のコー氏

公開日: 更新日:

■「世陸を22年に」

 IOC会長のトーマス・バッハが「中止も順延も言っていない」と発言したのが3月5日。19日、コーが秋に延期を示唆して流れが変わった。22日、IOCが「4週間以内に結論」と発表し、カナダと豪州が選手派遣拒否を表明。するとコーは「誰も今年は望んでいない」と発声し、24日の英国紙で「世界陸上の1年延期は可能」とさらに踏み込んだ。

 オリンピックを1年延期する場合、米国オレゴン州で開催される世界陸上との競合が問題になっていた。

 このコーの言葉を待っていたかのように同夜、安倍総理ら一同がバッハに電話会談で「1年程度」の延期を申し入れ、コーは27日、「世陸を22年に延ばしてもいい」とフォローしている。セバスチャン・コーは世界陸連会長でありIOCの調整委員会委員でもあるが、別の顔もある。

 長年ナイキ社の特別顧問を務め、WA会長就任に伴い辞任したが、その後の17年、ナイキは本部ビルをセバスチャン・コー・ビルディングと命名。同社本部は世陸の開催地オレゴンで、そこは今、大流行の厚底シューズの拠点でもある。

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