著者のコラム一覧
安倍昌彦スポーツライター

1955年、宮城県生まれ。早大卒。アマ時代に捕手としてプレーした経験を生かし、ドラフト候補のボールを実際に受けて取材するスタイルを確立。通称「流しのブルペン捕手」。自身が責任編集を務める雑誌「野球人」を始め、著書、寄稿は多数。

花咲徳栄・井上朋也 実戦で飛ばす能力は日ハム野村より上

公開日: 更新日:

井上朋也(花咲徳栄/外野手兼三塁手)

「彼が放った本塁打を10本近く見ていますが、打点を稼げそうな、チャンスでの集中力が非常に高い選手です」

 主将を務め、高校通算47本塁打をマークする長距離砲。高校生としては飛び抜けた打撃力に加え、ウエーティングサークルでの立ち居振る舞いに高校生離れした姿を見たと、安倍氏は言う。

「1年春に公式戦デビューした時から、まるで3年生のような素晴らしい体格、スイングをしていました。2学年先輩の野村(18年日本ハム2位)と比べても、実戦で打球を飛ばす能力は上だと思います。打席に入る前から投手をじーっと観察してタイミングを取り、自分と投手の『2人の世界』に入れる。高校生としては非常に珍しいタイプです。長打力をウリにしつつも、ボールをとらえる確率が高く、打ち損じが少ない。長打力を見せようと力任せに引っ張るような幼さはなく、外の球に逆らわず、逆方向へ打ち返す精神年齢の高い野球をやれている。他の部員のお手本になるような打撃ですから、井上のような選手がいたら監督としては非常に助かるでしょう」

 走力も評価される一方、課題とされている守備について安倍氏は、「地肩の強さは劇的には変わりませんが、スローイングの敏捷性と正確性を上げることで、守備力は一定ラインまで上がってくるはずです」と指摘する。

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