大相撲「感染者出ても7月場所続行」に立ちはだかる2つの壁

公開日: 更新日:

 そのひとつが、感染者が出た場合、いったい何人をどれだけ休場させるかの判断だ。相撲は接触を伴う競技。集団生活を送る相撲部屋や多くの力士でひしめく支度部屋は3密の極致だ。場所中に感染力士と戦った相手も、数日間は検査のために休場する必要があるだろう。付け人や同部屋の力士、親方だって例外ではない。連鎖的に休場、休場となり、本場所に上がれる力士が激減しかねない。

 支度部屋に代わる場所もない。

「例えば、国技館の地下の大広間。広いことは広いですけど、絨毯の床ではすり足はできない。テッポウをする柱もない。着替えるだけならともかく、調整ができないのは力士にとっては痛い。支度部屋の床は打ちっぱなしのコンクリ。取組前の力士が付け人にぶつかるなど調整ができることも大事ですから」(ある親方)

■公傷制度

 力士への救済措置も無視できない。普通、休場は負けたものとして計算され、翌場所の番付に反映される。今回は状況が状況だ。感染でなくとも、発熱の検査で数日休んだ分の日数は番付に影響が出ないよう配慮する必要があるだろう。でなければ、体調不良を隠す力士が出てくるかもしれない。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  2. 2

    35年前の大阪花博の巨大な塔&中国庭園は廃墟同然…「鶴見緑地」を歩いて考えたレガシーのあり方

  3. 3

    高市内閣の閣僚にスキャンダル連鎖の予兆…支持率絶好調ロケットスタートも不穏な空気

  4. 4

    葵わかなが卒業した日本女子体育大付属二階堂高校の凄さ 3人も“朝ドラヒロイン”を輩出

  5. 5

    大谷翔平の来春WBC「二刀流封印」に現実味…ドジャース首脳陣が危機感募らすワールドシリーズの深刻疲労

  1. 6

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  2. 7

    隠し子の養育費をケチって訴えられたドミニカ産の大物種馬

  3. 8

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  4. 9

    高市早苗「飲みィのやりィのやりまくり…」 自伝でブチまけていた“肉食”の衝撃!

  5. 10

    維新・藤田共同代表にも「政治とカネ」問題が直撃! 公設秘書への公金2000万円還流疑惑