相撲協会が抗体検査実施も…稽古と予防で板挟みのジレンマ

公開日: 更新日:

 わずか1カ月で、どこまで体が戻るか。

 希望する協会員への新型コロナウイルスの抗体検査を18日から始めた相撲協会。力士、親方、行司や世話人など、1000人以上の規模になり、すべての検査結果が出るのはおよそ1カ月後だという。

 相撲協会は7月場所(東京、19日初日)の無観客開催を目指しており、この検査結果が今後の判断材料のひとつになるともっぱらだ。

 ある親方は「検査結果は全部屋のものが出そろってから、一斉通達になるのではないか。そうでなければ、早めに安全とわかって胸をなでおろす部屋もあれば、検査結果はまだかまだかと長く不安を抱える部屋が出てきてしまう」と言う。

 そうなると、7月場所に向けての調整にも不公平が生じかねない。相撲の稽古は「1日休めば取り戻すのに3日かかる」といわれている。いくら3月場所以降、基礎稽古を続けていたとしても、あくまで基礎は基礎。相撲を取らないことには調整はできない。

 一部報道によれば、早くもぶつかり稽古を解禁した部屋も中にはあるという。仮に検査結果が出そろった後に協会が「相撲を取る稽古をしてもいい」と言ったところで、それは本場所のわずか1カ月前。いきなり激しい稽古をすればケガにつながるため、徐々に段階を踏ませる必要もある。調整期間は思ったよりも短く、「ならばいまからでも」と考える部屋はさらに出てくるだろう。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    元横綱・三重ノ海剛司さんは邸宅で毎日のんびりの日々 今の時代の「弟子を育てる」難しさも語る

  2. 2

    矢沢永吉&甲斐よしひろ“70代レジェンド”に東京の夜が熱狂!鈴木京香もうっとりの裏で「残る不安」

  3. 3

    巨人・岡本和真を直撃「メジャー挑戦組が“辞退”する中、侍J強化試合になぜ出場?」

  4. 4

    “最強の新弟子”旭富士に歴代最速スピード出世の期待…「関取までは無敗で行ける」の見立てまで

  5. 5

    “文春砲”で不倫バレ柳裕也の中日残留に飛び交う憶測…巨人はソフトB有原まで逃しFA戦線いきなり2敗

  1. 6

    【独自】自維連立のキーマン 遠藤敬首相補佐官に企業からの違法な寄付疑惑浮上

  2. 7

    物価高放置のバラマキ経済対策に「消費不況の恐れ」と専門家警鐘…「高すぎてコメ買えない」が暗示するもの

  3. 8

    福島市長選で与野党相乗り現職が大差で落選…「既成政党NO」の地殻変動なのか

  4. 9

    Snow Manライブで"全裸"ファンの怪情報も…他グループにも出没する下着や水着"珍客"は犯罪じゃないの?

  5. 10

    今の渋野日向子にはゴルフを遮断し、クラブを持たない休息が必要です