著者のコラム一覧
元川悦子サッカージャーナリスト

1967年7月14日生まれ。長野県松本市出身。業界紙、夕刊紙を経て94年にフリーランス。著作に「U―22」「黄金世代―99年ワールドユース準優勝と日本サッカーの10年 (SJ sports)」「「いじらない」育て方~親とコーチが語る遠藤保仁」「僕らがサッカーボーイズだった頃2 プロサッカー選手のジュニア時代」など。

目先より数年後の勝敗 監督が良ければ勝てるわけじゃない

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 しかしながら松本を率いていた時もそうだったが、苦境下でも足を止めないのが反町流である。

 あえてこの時期に「四位一体」という新語を打ち出し、日本サッカーを土台部分からテコ入れする強い意志を示した。

 技術委員会はこれまで強化、指導者養成、育成の「三位一体」でやってきたが、これに<普及>も加えて「四位一体」としたのである。

 というのもコロナ禍で全国各地の町クラブやスクールが、活動休止寸前にまで追い込まれているから。存続危機に瀕しているチームを守るべく、サッカー協会は「JFAサッカーファミリー支援事業」をスタートさせ、6月4日までに直接融資額が3億円に到達した。

 反町氏が普及を強調したのも、こうした背景があるからだろう。

■2050年W杯優勝 全体の底上げを

「自分が考えなきゃいけないのは、目先の代表の勝利だけじゃなくて何年後かの勝ち負け。成果が出るのは2~3年後、10年後かもしれない。<JFAの約束2050>ではW杯優勝を掲げているんだから、そうなるように努力しないと。中国が名将リッピを連れてきてもW杯本大会に出られなかったように、監督が良ければ勝てるわけじゃない。そんなスーパーマンはいない。日本全体の底上げをしないとダメなんだ」

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