ドラ1候補・明石商中森の母が明かす プロ志望表明の舞台裏

公開日: 更新日:

 進学か、それともプロか――。進路を決めかねていたといわれるドラフト1位候補、明石商(兵庫)の中森俊介(3年)が10日、プロ志望届を提出した。1年の夏から3季連続甲子園出場。昨年はチームを春夏連続4強に導いた右腕に対しては、プロもその進路に注目していた。8月の甲子園交流試合では群馬の桐生第一戦に先発。2失点で完投勝利を収めたにもかかわらず、「完封できればプロでできるという自信になる。そういう気持ちでマウンドに上がったが、9回2失点。まだまだ実力が足りない」と話していた。早くから大学進学が濃厚とされ、明大が獲得に熱心だったといわれる中、プロ志望届を出した裏に何があったのか。進学に未練はないか。母・美幸さんに話を聞いた。

  ◇  ◇  ◇

 ――大学進学が濃厚とされていたが、なぜプロ志望届を出したのか。

「小さい頃からプロ野球選手を目指して、自分で計画を立ててやっていました。『(進路を)迷っている』とは言っていましたが、やはり、プロへの気持ちの方が強かったのだと思います」

■父も「大学は行きたいときに行ける」

 ――結論に至るまでどのような経緯があったのか。

「今月の頭くらいに『結局どうするん?』という話をしたら、『自分的には(プロに)挑戦してみたい』と。主人も、『大学は行きたいときに行ける。プロの世界は4年後だとどうなるか……。チャンスがあるときに行ってみたらどうか』と後押しをしました。それで本人も意思が固まったようです。それに、前々から明石商の狭間善徳監督に、『おまえは体がホンマ硬いし、大学よりも設備の整ったところで、良いトレーナーにケアしてもらいながら挑戦したらどうか』と言ってもらっていたこともあります」

 ――いくつかの大学、特に明大から熱烈オファーを受けたそうだが。

「私たちの方には来ませんでしたが、本人や狭間監督には話があったようですね。熱心に誘ってもらったようで、それで悩んだというのもあります」

 ――ご両親としては子供の進路について、大学とプロのどちらを望んでいたのか。

「正直、どちらでも構いませんでした。俊介が望むところに進んでほしいという思いだけです。私たちはそれを応援します」

 ――ドラフト1位候補の子供を持つ、中森家の教育方針とは。

「小さい頃から『プロに行きたい』と言うので、『それなら私生活と勉強はちゃんとやりなさい』と言ってきました。俊介も勉強は好きみたい。論理的にものを考える子なので、得意科目は数学らしいです。私たち夫婦は共働き。家には私の祖母も一緒に暮らしていますが、家事は家族全員の当番制にしているので、俊介も家のことなら全部できますよ。いつでもお嫁さんに出せます(笑い)」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    上白石萌音・萌歌姉妹が鹿児島から上京して高校受験した実践学園の偏差値 大学はそれぞれ別へ

  2. 2

    大谷 28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」とは?

  3. 3

    学力偏差値とは別? 東京理科大が「MARCH」ではなく「早慶上智」グループに括られるワケ

  4. 4

    ドジャース大谷の投手復帰またまた先送り…ローテ右腕がIL入り、いよいよ打線から外せなくなった

  5. 5

    よく聞かれる「中学野球は硬式と軟式のどちらがいい?」に僕の見解は…

  1. 6

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?

  2. 7

    進次郎農相の「500%」発言で抗議殺到、ついに声明文…“元凶”にされたコメ卸「木徳神糧」の困惑

  3. 8

    長嶋茂雄さんが立大時代の一茂氏にブチ切れた珍エピソード「なんだこれは。学生の分際で」

  4. 9

    (3)アニマル長嶋のホームスチール事件が広岡達朗「バッドぶん投げ&職務放棄」を引き起こした

  5. 10

    米スーパータワマンの構造的欠陥で新たな訴訟…開発グループ株20%を持つ三井物産が受ける余波