ID野球の波にのまれ…プロ球界で策士と異能の人が消える日

公開日: 更新日:

 井上氏は、当時のプロ野球界には存在しなかったメンタルトレーナーに住職を起用しようと考えたり、バッテリー間のサイン盗みを防ぐために乱数表を作ったりするなど、なかなかのアイデアマンだった。

 後にスコアラーとして巨人に移籍。1989年の近鉄との日本シリーズ前には「満塁でも4番のブライアントは敬遠する」と発言し、近鉄ベンチに“陽動作戦”を仕掛けてチームを日本一に導く原動力となった。

 最近はビッグデータを駆使したID野球が注目されているが、あくまでも主役は選手、監督、コーチ、フロントといった「人」だ。井上氏のような「策士」や「異能の人」の活躍の場が限られつつある状況は寂しい限りだ。

▽富岡二郎=スポーツジャーナリスト。1949年生まれ。東京都出身。雑誌記者を経て新聞社でスポーツ、特にプロ野球を担当。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  2. 2

    ドジャース大谷翔平が直面する米国人の「差別的敵愾心」…米野球専門誌はMVPに選ばず

  3. 3

    Snow Man目黒蓮と佐久間大介が学んだ城西国際大メディア学部 タレントもセカンドキャリアを考える時代に

  4. 4

    ポンコツ自民のシンボル! お騒がせ女性議員3人衆が“炎上爆弾”連発…「貧すれば鈍す」の末期ぶりが露呈

  5. 5

    高市新政権“激ヤバ議員”登用のワケ…閣僚起用報道の片山さつき氏&松島みどり氏は疑惑で大炎上の過去

  1. 6

    クマが各地で大暴れ、旅ロケ番組がてんてこ舞い…「ポツンと一軒家」も現場はピリピリ

  2. 7

    田村亮さんが高知で釣り上げた80センチ台の幻の魚「アカメ」赤く光る目に睨まれ体が震えた

  3. 8

    自維連立が秒読みで「橋下徹大臣」爆誕説が急浮上…維新は閣内協力でも深刻人材難

  4. 9

    ラウールが通う“試験ナシ”でも超ハイレベルな早稲田大の人間科学部eスクールとは?

  5. 10

    「連合」が自民との連立は認めず…国民民主党・玉木代表に残された「次の一手」