著者のコラム一覧
鈴村裕輔野球文化学会会長・名城大教授

1976年、東京都出身。法政大学博士(学術)。名城大学外国学部教授。主な専門は政治史、比較思想。野球史研究家として日米の野球の研究にも従事しており、主著に「MLBが付けた日本人選手の値段」(講談社)がある。スポーツを取り巻く様々な出来事を社会、文化、政治などの多角的な視点から分析している。アメリカ野球学会会員。

レンジャーズが本拠地を満員にした裏に州知事の計算

公開日: 更新日:

 4月5日、レンジャーズにとって2021年最初の本拠地グローブライフフィールドでの公式戦は、全米の注目を集めた。

 対戦相手であるブルージェイズのキャバン・ビジオとブラディミール・ゲレーロ・ジュニアという、いずれも野球殿堂入りした父を持つ2世選手が活躍したからではない。新型コロナウイルス感染症の拡大が始まって以降、レンジャーズが北米のプロスポーツとして初めて観客の入場制限を撤廃し、グローブライフフィールドが満席となったからだ。

 球場の定員4万518人に対して有料入場者数は3万8232人であり、球団が無料で招待した医療従事者は観客に加えられていない。そのため、この日の球場が文字通り満員であったことが分かる。

 球場内の共有部では物理的距離が取られ、物品を購入する際の支払いもキャッシュレスと「コロナ対策」はなされていたとはいえ、客席ではマスクを外す者の数が多く、ビールなどを片手に声援を送る様子は、「コロナ禍」以前の球場に戻ったかのような錯覚を与えるものだった。

 レンジャーズが約4万人を受け入れられたのは、テキサス州知事グレッグ・アボットが州内で一度に許可される観客数の制限を正式に撤廃したからにほかならない。アボットはなぜ制限を解除したのだろうか。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    立花孝志容疑者を"担ぎ出した"とやり玉に…中田敦彦、ホリエモン、太田光のスタンスと逃げ腰に批判殺到

  2. 2

    片山さつき財務相“苦しい”言い訳再び…「把握」しながら「失念」などありえない

  3. 3

    阪神異例人事「和田元監督がヘッド就任」の舞台裏…藤川監督はコーチ陣に不満を募らせていた

  4. 4

    阪神・佐藤輝明にライバル球団は戦々恐々…甲子園でのGG初受賞にこれだけの価値

  5. 5

    高市首相「世界の真ん中で咲き誇る日本外交」どこへ? 中国、北朝鮮、ロシアからナメられっぱなしで早くもドン詰まり

  1. 6

    “文春砲”で不倫バレ柳裕也の中日残留に飛び交う憶測…巨人はソフトB有原まで逃しFA戦線いきなり2敗

  2. 7

    阪神・佐藤輝明の侍J選外は“緊急辞退”だった!「今オフメジャー説」に球界ザワつく

  3. 8

    ドジャースからWBC侍J入りは「打者・大谷翔平」のみか…山本由伸は「慎重に検討」、朗希は“余裕なし”

  4. 9

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  5. 10

    古川琴音“旧ジャニ御用達”も当然の「驚異の女優IQの高さ」と共演者の魅力を最大限に引き出すプロ根性