著者のコラム一覧
鈴村裕輔野球文化学会会長・名城大教授

1976年、東京都出身。法政大学博士(学術)。名城大学外国学部教授。主な専門は政治史、比較思想。野球史研究家として日米の野球の研究にも従事しており、主著に「MLBが付けた日本人選手の値段」(講談社)がある。スポーツを取り巻く様々な出来事を社会、文化、政治などの多角的な視点から分析している。アメリカ野球学会会員。

小さな変更を大きな改革として宣伝する大リーグ機構や球団経営者の思惑

公開日: 更新日:

 大リーグ機構も球団経営者も、「ダイバーシティー」という言葉が広まる以前から選手の構成が多様であればあるほど、より優れた選手が登場することを知っている。それだけに1947年4月15日にひとたび「人種の壁」が破られ、さまざまな国や地域から集まる選手が力を発揮すると、積極的に各地の選手の獲得を推進してきた。

 一方、昨年5月から米国だけでなく世界各地でアフリカ系アメリカ人への差別問題を直視し、解決を図ろうとする「ブラック・ライブズ・マター」問題に対して、一人一人の選手は主体的であるとしても、機構や経営者が消極的な、あるいは傍観者的な態度を示しているのも、大リーグの特徴と言える。

女性コーチと女性GM

 昨季はアリッサ・ナッケンがジャイアンツのアシスタントコーチとなって、大リーグ史上初の女性のコーチが誕生し、レイチェル・バルコベックがヤンキースの打撃コーチに就任。専門雑誌「ベースボール・ダイジェスト」が2人を一緒に取り上げて表紙にするなど、女性の指導者が注目を集めた年でもあった。

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