著者のコラム一覧
鈴村裕輔野球文化学会会長・名城大教授

1976年、東京都出身。法政大学博士(学術)。名城大学外国学部教授。主な専門は政治史、比較思想。野球史研究家として日米の野球の研究にも従事しており、主著に「MLBが付けた日本人選手の値段」(講談社)がある。スポーツを取り巻く様々な出来事を社会、文化、政治などの多角的な視点から分析している。アメリカ野球学会会員。

小さな変更を大きな改革として宣伝する大リーグ機構や球団経営者の思惑

公開日: 更新日:

 これに加え、マーリンズがキム・アングを大リーグ球団として初めて女性のゼネラルマネジャーにするなど、球界が女性の起用にも積極的な姿勢を示したのも2020年だった。

 しかし、就任時に大きな話題となっても誰からも注目されることなく職を去ることになるのは球界の常で、「女性コーチ」や「女性GM」も継続的な起用がなければ一時の話題づくりには役立っても、定着した存在にはなりにくい。現時点において球界で活躍する女性の数が飛躍的に増加する様子は見られないから、経営の中枢や現場の最前線で活躍する女性は当面は少数派にとどまるであろうことが分かる。

 1947年のジャッキー・ロビンソンの起用も、ロビンソンを含むアフリカ系アメリカ人選手の第2次世界大戦での活躍や、戦後の選手層の補強の必要性という背景がなければ、実現までにもう少し時間を要したかもしれない。

■反対しても苦情が起きにくい

 大リーグ機構が今季のオールスター戦の開催地をジョージア州アトランタからコロラド州デンバーに移したのも、ジョージア州で新たな投票法が制定され、有権者の投票の機会が制限されることへの抗議であった。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース大谷翔平32歳「今がピーク説」の不穏…来季以降は一気に下降線をたどる可能性も

  2. 2

    高市政権の物価高対策はもう“手遅れ”…日銀「12月利上げ」でも円安・インフレ抑制は望み薄

  3. 3

    元日本代表主将DF吉田麻也に来季J1復帰の長崎移籍説!出場機会確保で2026年W杯参戦の青写真

  4. 4

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  5. 5

    京浜急行電鉄×京成電鉄 空港と都心を結ぶ鉄道会社を比較

  1. 6

    ドジャース佐々木朗希の心の瑕疵…大谷翔平が警鐘「安全に、安全にいってたら伸びるものも伸びない」

  2. 7

    【時の過ぎゆくままに】がレコ大歌唱賞に選ばれなかった沢田研二の心境

  3. 8

    「おまえもついて来い」星野監督は左手首骨折の俺を日本シリーズに同行させてくれた

  4. 9

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  5. 10

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾