著者のコラム一覧
権藤博野球評論家

1938年12月2日、佐賀県鳥栖市生まれ。鳥栖高からブリヂストンタイヤを経て61年に中日入り。1年目に35勝19敗、防御率1.70という驚異的な成績を挙げ、最多勝や沢村賞などタイトルを総ナメに。連投に連投を重ねる姿に「権藤、権藤、雨、権藤」の流行語が生まれた。68年に現役引退後は各球団の投手コーチを歴任。横浜で初の監督に就任した98年にはいきなりペナントを制し、38年ぶりの日本一に導いた。

千賀の状態を不安視する声もあるが…続投指令に首を振ったWBCでの経験が五輪で生きる

公開日: 更新日:

 東京五輪開幕までちょうど1週間になった。

 野球侍ジャパンは28日に初戦を迎えるが、千賀滉大(28=ソフトバンク)の状態が不安視されているようだ。本来ならば押しも押されもせぬ「日本のエース」という選手だが、今年は4月に左足首の靱帯を損傷。復帰が遅れていたため、6月16日に発表された代表メンバーからは漏れていた。巨人菅野智之中川皓太の故障による辞退があって追加招集されたものの、直後に上がった3カ月ぶりの一軍マウンド(7月6日=ロッテ戦)で3回途中10失点。再び登録抹消されており、メディアには「二軍から五輪」と報じられた。

 評論家の厳しい意見も散見されたが、私は心配していない。KOされたロッテ戦でも、直球のMAXは158キロ。スピードはあった。打たれたのは球が真ん中に集まった制球の問題で、これは一軍での実戦感覚に起因する。千賀レベルの投手なら、アジャストするのは難しいことではない。仮に、本番までに制球の不安が解消されなかったとしても、相手は粗っぽい外国勢だ。あの160キロのスピードと、「お化けフォーク」と称されるワールドクラスの決め球があれば、細かな制球は気にしなくていい。開き直って腕を振ることだけ考えれば、むしろ好結果につながるとみる。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高画質は必要ない? 民放各社が撤退検討と報じられた「BS4K」はなぜ失敗したのですか?

  2. 2

    大手家電量販店の創業家がトップに君臨する功罪…ビック、ノジマに続きヨドバシも下請法違反

  3. 3

    落合監督は投手起用に一切ノータッチ。全面的に任せられたオレはやりがいと緊張感があった

  4. 4

    自民党総裁選の“本命”小泉進次郎氏に「不出馬説」が流れた背景

  5. 5

    「二股不倫」永野芽郁の“第3の男”か? 坂口健太郎の業界評…さらに「別の男」が出てくる可能性は

  1. 6

    今思えばあの時から…落合博満さんが“秘密主義”になったワケ

  2. 7

    世界陸上「前髪あり」今田美桜にファンがうなる 「中森明菜の若かりし頃を彷彿」の相似性

  3. 8

    三谷幸喜がスポーツ強豪校だった世田谷学園を選んだワケ 4年前に理系コースを新設した進学校

  4. 9

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  5. 10

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋