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鈴木良平サッカー解説者

1949年6月12日生まれ。東京都世田谷区出身。東海大卒業後の73年、ドイツの名門ボルシアMGにコーチ留学。名将バイスバイラーの薫陶を受け、最上級ライセンスのS級ライセンスを日本人として初取得。84-85年シーズンのドイツ1部ビーレフェルトのヘッドコーチ兼ユース監督。なでしこジャパン初代専任監督。98年福岡ヘッドコーチ。

なでしこ五輪敗退危機…27日のチリ戦では積極果敢にシュートを狙っていってほしい

公開日: 更新日:

 なでしこジャパン(女子日本代表)は24日、東京五輪のグループE組の第2節でメダル候補のイギリスと対戦した。

 なでしこのFIFA世界ランクは10位。相手のイギリスは、同6位のイングランド代表を中心にウェールズ代表1人、スコットエランド代表2人を加えた混成チーム。

 どうしても苦戦が予想されたが、なでしこは前半、実に素晴らしいパフォーマンスを見せた。

 1-1のドロー決着となった第1節・カナダ戦から高倉監督は、強敵相手の試合にスタメン5人を変更して臨んだ。

 先発組に入ったGK山下、左SB宮川、ボランチMF林、MF杉田、FW田中は「絶対に結果を残してベンチ要員から抜け出してみせる!」と強い気持ちでキックオフの笛を聞いたはずだ。

 それがプレーに滲み出ていた。中でも守備的MFの林、左サイドからチェンスメークしたMF杉田の存在感が際立った。

 林は、1対1の場面でもフィジカル優位のイギリス選手に気後れすることもなく、体を積極的にぶつけてボールを奪っていき、機を見て前線に顔を出して積極的にシュートを放っていった。

 杉田は、鋭い攻撃参加が持ち味の<対面>右SBブロンズと互角以上に渡り合い、ドリブル突破や精度の高いクロスで攻撃を活性化していった。

 この5人のアグレッシブなパフォーマンスがチーム全体に絶大なプラス効果をもたらし、攻守の連係もスムーズだった。

 DFリーダーのCB熊谷が、試合後に「守備は上手くいっていた」と話していたが、まったくもって「その通り」。熊谷とCBでペアを組んだDF南、右SB清水、カナダ戦で守備面でミスの目立ったDF北村に代わって先発した宮川の4DFは、強力FWを擁するイギリス相手にほころびを見せることはなかった。

 ところが、なでしこの選手たちは後半に入るとアグレッシブさが影をひそめ、イギリスの波状攻撃にさらされて自陣に抑え込まれてしまう。

 高倉監督は後半10分に右MF塩越に代えてMF籾木を、同22分には林と田中に代えてMF遠藤とMF三浦を投入して劣勢ムードを断ち切ろうとした。しかし……。

 同29分に手痛いミスから失点を食らってしまう。

 右サイドからクロスが入り、落下地点でMF中島がヘディングでクリアしようと身構える。

 GK山下が飛び出し、中島の背後から両手を差し出し、パンチングで逃れようとしている。

 そこに走り込んだのが<なでしこキラー>FWホワイトである。

 日本戦通算3得点のホワイトは中島と山下の<前方>に抜け目なく入り込み、絶妙ヘッドでコースの変わったボールは、ゴール左サイドネットに吸い込まれた。

 待ち構えてしまった中島、飛び出したのにボールに触れなかった山下。守備網をズタズタに崩されての失点ではなかったが、勝ち点1以上が狙えた試合だっただけに残念なシーンだった。

チリ戦の戦い方は

 なでしこは1分け1敗でE組3位。第3節のチリ戦(27日午後8時キックオフ)で勝ち点3を逃せば、グループリーグ敗退の危機である。

 どんな戦いをやれば勝ち点3をゲットできるか。答えは簡単だ。

「イギリス戦の前半のパフォーマンスを90分続ければ必ず勝てる」。このことに尽きるだろう。

 いたずらにシュートパスを回すのではなく、タイミングを見計らって前線に縦パスを通し、相手DF陣に脅威を与える。

 ボールを受けたFW陣は「まずはシュート」という意識を共有し、積極果敢にゴールを狙っていく。チーム全体が前向きにプレーすれば、チリ戦で必ず勝ち点3を奪えると信じている。なでしこの奮闘を期待している。

(構成=本紙編集部)

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