阪神のV争いを惑わす在阪スポーツ紙の魔力…順位意識させる報道が選手の重圧に追い打ち

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 評論家の権藤博氏は、「今はまだ後ろを意識する段階ではない。勝負どころはまだまだ先。ゲーム差を気にしてムリをするとロクなことがありません」と言っている。

 デーゲームで2位の巨人が3連勝を飾った15日、首位の阪神はナイターで広島に勝利。首位死守!――とスポーツ紙は書くが、権藤氏の言うように、残り試合はまだ56もある。矢野燿大監督も後半戦に向け、「一番大事なことは、自分たちの野球を貫き通すこと」と話している。一戦一戦、という気構えなのだが、それを許してくれないのがメディア、特に在阪スポーツ紙である。

「負けて抜かれれば『ついに首位陥落!』と騒ぐのは目に見えていますからね。勝てば勝ったで『首位死守!』と、イヤでも順位を意識させられる。今の阪神の主力で優勝経験のある選手は皆無に近い。ただでさえ、優勝争いのプレッシャーがかかるところへ、メディアの報道が追い打ちをかけないか。不安視しているOBは少なくない」(阪神OB)

 この日、試合前の円陣で新人の佐藤輝が選手から表彰状を授与された。13日に新人最多記録を更新する122個目の三振を喫したことを“祝福”するもので、選手を代表した坂本から「フルスイングをやめないでください。みんなが期待しています。三振を気にするより、勝利に貢献するホームランをたくさん打って」と激励され、ベンチは笑いに包まれた。OBの心配が杞憂に終わりそうな雰囲気はあるが……。

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