ビーチサッカーW杯ロシア大会 オズ日本代表パラグアイに劇的大逆転で白星スタート

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 2019年ビーチサッカーW杯パラグアイ大会でMVPを獲得した茂怜羅オズ監督兼選手が率いるビーチサッカー日本代表が、8月19日に開幕したW杯ロシア大会の初戦パラグアイ戦に臨んで7-4の大逆転勝利を収め、悲願の初優勝に向けて好スタートを切った。

 世界ランク6位の日本は2005年の第1回大会から11回連続出場中。前回2019年大会ではラモス瑠偉ジャパンが快進撃を続け、過去最高位タイの4位に食い込んだ。この大会の初戦で対戦したパラグアイ(同9位)は、大会オープニングゲームで地元ファンの前で日本に4-5で敗れ、リベンジに燃えている。

 試合は12分×3ピリオド制。開始直後から日本にファウルが目立ち、なかなかリズムに乗れない時間帯が続いた。9分に獲得したPKをFW山内悠誠が失敗。10分過ぎにパラグアイにFKを2本連続して決められる。

 第2ピリオド開始15秒で相手選手に豪快なオーバーヘッドを叩き込まれ、0-3とリードを広げられた日本選手に焦燥感めいた雰囲気が漂った。

 しかし、終わってみれば、21分の相手オウンゴールによる得点で日本は息を吹き返した格好だ。

 GKからのロングスローを山内が相手ゴール左で胸トラップ。やや無理な体勢から果敢に放ったシュートが相手選手に当たり、ゴールに吸い込まれていった。

日本は残り4分でついに同点に追い付く

 1-3で第3ピリオドに突入。ここから日本が怒涛の攻撃を展開した。

 26分、GKのスローを右サイドで受けたFW大場崇晃がゴール前に低い弾道のクロスを送る。これをFW赤熊卓弥が、ゴール左サイドから体を前方に投げ出してヘディングシュート。「得点王を狙います」と話していた赤熊らしいアグレッシブなゴールで1点差に詰め寄った。

 その直後にパラグアイにゴールを許したが、ここから日本チームは見事な踏ん張りを見せた。

 29分、途中交代のGK河合雄介のシュートを相手ゴール前で山内が頭でコースを変える絶妙シュート。再び1点差とした。 

 さらに32分、FP大場の左CKを赤熊が頭で押し込み、日本は残り4分でついに同点に追い付いた。

 そして赤熊が相手選手を背負いながら反転シュートをゴール左サイドネットに決め、33分には山内がこの日2本目のPKを勇気を持ってゴールど真ん中にズドンと決めた。

 終了間際にも山内が自身4点目となる左足シュートを放ち、駄目押しの7点目をねじ込んだ。

「パラグアイの2点目のFKは明らかなキックミスだったが、砂のデコボコに当たってループシュートの軌道となり、GKの頭上を越えて日本ゴールに吸い込まれた。日本は積極的なプレーがファウルと判定されたり、シュートが何度かクロスバーに当たるなど運にも見放され、ラッキーなゴールの決まったパラグアイ相手に<完全な負け試合>の様相を呈していたが、第3ピリオドで6点を奪っての逆転劇は見事でした。大黒柱オズのシュートがゴールの枠を大きく外れるなど不安点もありますが、開幕戦の大逆転劇で上げ潮ムードに乗り、このままの勢いで突っ走ってもらいたい」(元サッカーダイジェスト編集長の六川亨氏)

 次戦(現地21日)の相手は同ランク16位のアメリカ。初戦で優勝候補のホスト国ロシア相手に4-5の敗戦となったが、粘り強い戦いぶりは要警戒だ。不用意なファウルを減らし、決定機を確実にモノにして勝ち点3をもぎ取りたい。

▽茂怜羅オズのコメント

「試合の入りは悪くなかったが、ファウルからのFKで2失点をしてしまった。選手たちは諦めないでプレーし、最後は勝って終われて良かったと思います。個人的にはFKなどゴールが決まらなかったし、100%のデキではなかったので悔しい。でも大事なことはチームが勝つこと。日本の皆さん、パワーを送ってくれてありがとうございました。(次は)FKで点を決めるよ!」

▽山内悠誠のコメント
「トレーニングで第3ピリオドまでしっかりと走り、勝ち切るための体力や戦術というのは、オズが監督に就任してから掲げていたこと。それが形になったことが勝因だと思います。もちろん(リードされて)不安や焦りもありましたが、僕自身は絶対に巻き返せるという感覚がありました。ここまでやれたのは、やはり日本の強さだと思います」

▽赤熊卓弥のコメント

「皆で最後まで諦めずにプレーしたのが勝因だと思います。1失点目は、僕のファウルからFKを決められましたが、興奮して力が入ってしまいました。(終盤に)ピヴォ(FW)が3人入りましたが、点を取るという執念が実りました。ベンチからも良い声が出ていたし、チーム一丸となって戦えたのが良い方向に行きました。アメリカ戦で結果を残さないと今日の勝ちが台無しになってしまうので、日本の皆さんに良い報告ができるように頑張ります」

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