東京パラ開幕 「バブル」検査強化もバッハ会長は“国賓級”扱いで隔離免除と矛盾だらけ

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 24日、東京パラリンピックが開幕する。新型コロナウイルス禍が拡大する中、23日には海外からの来日選手1人、選手村滞在の選手団関係者3人など13人の感染が判明。組織委が今月12日から発表しているパラ関連の感染者は、計144人となった。オリパラ関連では五輪開幕3週間前の7月1日からの累計で、国内外で計547人。東京での感染状況と比例するように、感染者のスピードが急速に上がっていることが分かる。

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 感染拡大を受け、組織委は選手村勤務の国内スタッフへの検査を「4日に1度」から「毎日」に、選手村以外で活動する大会関係者は「7日に1度」から「4日に1度」に変更して対策を強化。確実に感染者をあぶり出し、選手村や競技場の「バブル」内を安全に保つためだ。

 パラアスリートや関係者が守られる一方で、その目的はあくまでパラを「安心安全」に強行すること。「バブル外」はすでに医療逼迫が深刻で、東京都では症状が出ても入院できないケースが相次いでいる。バブル内で出た感染者が「中等症Ⅱ」以上となれば、さらなる医療崩壊も避けられないだろう。

 1カ月前に開幕した五輪に比べると、事態の悪化は明白だ。それでも23日、IOCバッハ会長は再来日。本来であれば選手や大会関係者は来日翌日から3日間の隔離が求められるが、バッハ会長は「国賓級」の扱いで隔離免除となり、開会式に出席する。

 選手村内の検査を強化する一方でバッハ会長は特例発動と、矛盾だらけの対応はパラでも健在。改めて開催の意義を問われそうだ。

なぜ40人も集まる? 国際パラ関係者の歓迎会を開催

 東京パラリンピック開幕を翌日に控えた23日夜、国際パラリンピック委員会(IPC)関係者の歓迎会が都内のホテルで開かれた。

 大会組織委員会の橋本聖子会長が主催し、IPCのパーソンズ会長や菅首相、丸川五輪担当相、小池都知事ら約40人が参加。組織委によると、コロナ禍であることを考慮し、食事や酒の提供はなかった。

 東京五輪開幕前には、国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長らを招いた歓迎会が開かれ、批判が殺到。今回も新型コロナウイルスの感染爆発で国民に行動の抑制を繰り返し要請する中、なぜ40人も集まってパーティーをやるんだ、という反発がネットを中心に広がっている。 

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