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山田隆道作家

1976年、大阪生まれ。早大卒。「虎がにじんだ夕暮れ」などの小説を執筆する他、プロ野球ファンが高じて「粘着!プロ野球むしかえしニュース」などの野球関連本も多数上梓。各種スポーツ番組のコメンテーターとしても活躍中。

「防御率トップ10」が成り立たない!投手の規定投球回を見直す時期に来ていないか

公開日: 更新日:

■平均的な投球回数が急速に減少し…

 しかし、ここ3~4年で投手の平均的な投球回数は急速に減少し、今やトップ10すら成立しないことが珍しくなくなった。投手の分業制が顕著になり、中継ぎ投手の重要度が増した現代プロ野球では、先発投手の「中6日100球」という球数が一般的になったのだから、これは一概に悪いこととは言えない。

 ただし、だったら防御率の評価をより多くの投手にも適用すべく、そろそろ規定投球回を見直すべき時期にきているのかもしれない。普通に考えて、これだけ時代が変わったのに同じ規定が50年以上も運用され続けているって変だ。たとえば、現在ファームで適用されている「所属球団の試合数×0.8」を一軍に当てはめると、今季の規定投球回は114回(小数点以下切り捨て)となり、これならセは15人、パは20人がクリアする。

 先述した00年代以前の相場と同じくらいになり、古き良き「防御率トップ10」も見応えを取り戻す。最優秀防御率のタイトルこそセが中日柳裕也の2.20、パがオリックス山本由伸の1.39(!)で変わらずだが、トップ10の景色は少し変わってくるのだ。

 とりわけ、阪神のルーキー・伊藤将司が興味深い。今季140.1投球回で惜しくも規定に達しなかったが、もし先述の規定になったら、防御率2.44でセの2位にランクインする。勝ち星は2桁の10勝を挙げているわけだから、これで防御率2位なら、新人王争いにも大きく影響しそうである。

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