ロッテ佐々木朗希ついに覚醒! 球団内で声あがる「今季18勝で沢村賞」の根拠
「令和の怪物」がいよいよ大化けしそうだ。
実戦3試合目となった5日のソフトバンク戦で5回2安打無失点、9奪三振と圧巻の投球を見せたロッテの佐々木朗希(20)だ。
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時折、帽子を飛ばしながら自己最速タイの163キロをマークしたストレートは全36球中7割近くが160キロ超え。平均球速は160キロを上回った。シュート回転する球もあってか、本人は「あまり構えたところに行かず、(ボールの)質的にも良くなかった。全体的に納得いく球が少なく、悪いなりに5回を投げられた。制球をもっと良くしていきたい」と高みを見据えたが、これで実戦3試合で計10イニング連続無失点、17奪三振と向かうところ敵なしだ。ロッテOBが言う。
■163キロに耐えうる体
「井口監督は今季、佐々木朗を先発ローテに入れて、中6日で投げさせる腹積もりです。昨オフはこれまであまり積極的でなかった筋力トレーニングにもしっかり取り組み、筋力がアップ。入団当初は163キロに耐えられる体ではなかったが、課題だった体力問題もクリアしたと判断している。佐々木朗は肩肘などの疲労や異変に敏感ですから、登板日のイニング数や球数に一定の制限を設けたり、ローテを1回飛ばしたりする可能性はあります。ただ、就任5年目を迎えた井口監督は2年契約の最終年で勝負の年。佐々木朗にフル回転してもらい、1970年以来のシーズン1位でのリーグ優勝を狙っているのです」
7~8割投法がスピードとキレを生む
ある首脳陣によれば、「最速163キロ、160キロ台を連発しているが、本人の感覚では7割、8割程度で余力を残して投げている」というから恐ろしい。しかも今季は3年目を迎え、報道陣とも冗談を交えながら談笑することもある。投球に自信が出て心に余裕ができてきた証拠だろう。
「普通に163キロを投げ、しかも中6日で投げられるだけでも、大きな成長を遂げています」
とは、98年沢村賞投手で元ロッテ投手コーチの川崎憲次郎氏(野球解説者)。
「若手投手の中では素質はナンバーワン。現時点でも十分に素晴らしい投手ですが、入団以降、投げられない期間が長かった。仮に先発ローテ投手が6人いて、中6日でローテを回れば、登板数は年間25試合前後(昨季は11試合で3勝2敗)。現時点で少なくとも10勝できる力があるとみています。彼が素晴らしいのは、7~8割程度の力で投げても、他の投手のマックスをはるかに超えるボールを投げられること。僕は現役時代、8~9割の力で投げ、得点圏に走者を進めた時など、場面に応じて全力を出していましたが、その必要もないくらい。佐々木朗は手足が長い上に体全体の柔軟性が高い。腕をムチのようにしならせて投げることができるため、スピードに加えてキレもある。力を抑えることでフォームのバランスが良くなり、より伸びのあるボールを投げられるメリットもある。もちろん、体への負担軽減にもつながります」
では課題はあるのか。
「相手打者もプロですから、いくら163キロといえども狙われれば打たれることもある。ストレートに関してはさらに球質が上がってくるかどうか。以前より体は大きくなっていますけど、さらに筋力が増え、ボールに力が加われば、打者の手元でもう一押しできる。変化球は、スライダーやカーブをカウント球として使えるレベルに持っていくことに加え、特に決め球としても使うスプリットの精度を高めることが大事になってくる。真っすぐと落ちる球のいわゆる『タテの組み合わせ』を完成できれば、より打者を打ち取りやすくなる。球数が減って長いイニングを投げられる。そうすればさらに勝ち星が増え、タイトル獲得もグッと近づくでしょう」(川崎氏)
■開幕投手でなく2、3番手
ローテの順番も追い風になりそうだ。井口監督は開幕投手に石川を指名。佐々木朗は開幕ローテの2、3番手に入る見通しだ。2、3番手なら、カード頭に登板するエース級の投手との投げ合いが減るし、投手のレベルも落ちる分、勝つ確率が高くなる。球団内では「今季は17~18勝して沢村賞獲得も夢じゃない」との声もある。
目下、プロ野球界は新庄監督率いる日本ハムが話題をさらっているが、シーズンに入れば佐々木朗が主役を奪う可能性は十分にある。