伊東純也&三笘薫の「光と影」 サッカーW杯“死のE組”日本代表キーマンを丸裸!

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伊東純也(ベルギー・ゲンク・29歳)

 アジア最終予選をB組2位(7勝1分け2敗)で突破、7大会連続のW杯出場を決めた森保ジャパン。抽選会では優勝経験のあるスペイン、ドイツと同居する「死のE組」に入った。こうなると、最終予選最多に並ぶ4試合連続ゴールを決めたMF伊東純也、本戦出場を決めた3月24日のオーストラリア戦で2ゴールを叩き込んだMF三笘薫への依存度は増すばかり。右から伊東、左から三笘──。両サイドを切り裂くキーマン2人を丸裸にした。

 ◇  ◇  ◇

■神奈川大との縁

 無名のダイヤの原石を発掘したのは、2009年ユニバーシアード日本代表のコーチを務めていた神奈川大の大森酉三郎監督(52)だ。

「ユニバーシアードの時に福岡大の永井(謙佑=現東京)君を見て速いなと思ったのですが、大学の練習会に参加した純也には天性のスピードがあって、永井君より速かった。何かひとつ武器になるものを持った子を探していたので、合格は決まったのですが……」とこう続ける。

「大学受験で実技の試験をやった際、試験官が見ているのに動作が緩慢に見えたので、純也を怒ったんです。あの頃はまだ未熟なところもあったけど、すぐに『すみませんでした』と。マイペースで素直なところが最大の強みです」

■逗葉高で県32強

 高校は「強豪私立校の寮とか上下関係が嫌」と、母親の母校で金銭面でも負担が少なく、伊東が中3の時に全国高校選手権の県予選決勝まで進む快進撃を見せた神奈川県立逗葉高へ。しかし、高3時は県予選ベスト32で敗退した。

 強豪校の桐光学園に1-6の大敗を喫した試合で、複数のDFをドリブルで抜き去り、ゴールネットを揺らしたプレーがスカウトの目に留まり、複数の大学からオファーが届いたというが、自宅から通える神奈川大を選んだ。

■ジュニアユース不合格

 小1で鴨居SCに入り、サッカーを始めた。「自分はドリブルばっかり。ゴールするよりドリブルで相手を抜くのが一番楽しかった」と語っている。

 小6になると横須賀市トレセンに選ばれ、「天才」といわれた小野裕二(鳥栖)とプレー。密かにライバル心を燃やしていた。その小野と横浜F・マリノスジュニアユース追浜の入団テストを受けるも不合格になり、小野は合格した。

■かけっこの著書

 著書に「子どもの足がどんどん速くなる」(アスコム)がある。

 紹介しているトレーニング「スピードスターメソッド」は簡単で時間がかからず、トレーニング後にすぐ効果が出る人もいるので、本番間近の人にも最適だという。運動が苦手な子どもを持つ父母が安心して子どもにすすめられるよう、トレーニング法だけでなく、足が速くなるとどんなメリットがあるのかを丁寧に解説している。

三笘薫(ベルギー・サンジロワーズ・24歳)

■トップ昇格拒否

 出身地のJ1川崎のU-10(10歳以下)から年代別チームでプレー。

 ユース(18歳以下)を終える際に、クラブから「トップ昇格」を打診された。

 しかし、三笘は「筑波大の4年間で心身ともに鍛え直したい」と昇格を断った。強化部スカウトの向島建氏(56)は「本人の意思を尊重する」ことにした。

「ジュニア時代から技術が高く、ユースを卒業する時にはトップに上がれるレベルでした。本来、ユースの選手は、トップから声が掛かるとプロ契約するものです。でも薫は『進学したい』と。筑波大からは『しっかり育ててお返しいたします』とおっしゃっていただきました。ユース時代はちょっと(体の)線が細かったんですよ。それが大学に入って急激にしっかりとした体になり、一気に前に出ていくための初速も上がりました。スピードの質自体も格段に向上した。筑波大2年の時には、相手を完全に置き去りにするドリブルができるようになり、3年になってプロ契約のオファーを出しました」

■天皇杯

 2017年の天皇杯2回戦。筑波大2年の三笘が、J1仙台戦で「60メートルドリブルからのゴール」の圧巻プレーを披露。自陣左で仙台2選手と相対しながら、右足アウトでボールを前に送ってフル加速。あっという間に2人を置き去りにし、相手ペナルティーエリアに向かってドリブル。右足を強振するとボールはGKの右手をはじき、ゴールに吸い込まれた。試合は三笘の2ゴールもあって3-2で筑波大が勝利。三笘株が急伸した。

■ネイマール

 スタメンから外れて不完全燃焼に終わった東京五輪の3位決定戦・メキシコ戦。0-3で迎えた後半17分に交代出場した三笘は同33分、左サイドから鋭いキックフェイントで相手3選手を翻弄してゴール! ブラジルではSNSに「日本にネイマールがいた!」といった書き込みが拡散した。

■三笘と三苫

「三笘」はあるサイトによると「九州に多く見られる。全国に約830人」と珍しい部類に入る。20年7月に川崎の公式SNSが「意外と皆さん間違えています。メディアの皆さんでもチラホラと……。三苫ではなく三笘。トマの字が竹冠」と広報。

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