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阿波野秀幸元プロ野球選手

1964年7月28日、神奈川県生まれ。桜丘高、亜大を経て、86年のドラフト1位で巨人、大洋(現DeNA)を含めた3球団競合の末、近鉄に入団。87年、新人王、89年は19勝(8敗)、183奪三振で最多勝と最多奪三振のタイトルを獲得。その後、巨人、横浜でプレー、通算75勝68敗5セーブ。引退後は巨人、横浜、住友金属鹿島、中日などでコーチを務めた。

4年連続20本塁打! 40歳で急逝した名外野手・鈴木貴久さんの思い出

公開日: 更新日:

 ロッテとのダブルヘッダー第1試合で本塁打を含む3安打を放ち、決勝のホームを踏んだ鈴木貴久さんの自宅に行ったときのこと。

 玄関のドアを開けて仰天した。廊下におびただしい数のバットとゴルフクラブが立てかけてあったからだ。

 道具にこだわり、バットやゴルフクラブは自分に合うオリジナルを山ほどもっていた。外野手用のグラブにしても通常は指の部分が1本と4本に分かれているところ、鈴木さんのは1本と3本で、3本のうちの1本を広めにしてそこに指を2本入れていた。

 北海道出身で、飛び抜けた暑がり。移動のスーツの下のワイシャツは風通しをよくするため、縦に切れ込みが入っていたほどだ。

 サイパンキャンプでは球場以外の場所で、ほとんど姿を見なかった。冷房をマックスに効かせた部屋にいて極力、外に出ないようにしていた。食事は日本から大量の缶詰をもってきて、部屋で食べていたという。

 西武戦の際に泊まる立川の宿舎ではこんなこともあった。私が外出から戻ってくると、ホテルの従業員が氷をてんこ盛りにしたアイスペールを抱えて鈴木さんの部屋をノックしていた。ウイスキーの水割りでも飲むのかと思ったら、鈴木さんは中の氷をすべてベッドにドバーッとまき、待たせていた従業員に「どうも」と言って空のアイスペールを返した。「暑くて仕方がないからさ。こうすると気持ちがいいんだ」と言っていた。

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