著者のコラム一覧
鈴村裕輔野球文化学会会長・名城大教授

1976年、東京都出身。法政大学博士(学術)。名城大学外国学部教授。主な専門は政治史、比較思想。野球史研究家として日米の野球の研究にも従事しており、主著に「MLBが付けた日本人選手の値段」(講談社)がある。スポーツを取り巻く様々な出来事を社会、文化、政治などの多角的な視点から分析している。アメリカ野球学会会員。

米国経済の影響をモロに受けるマイナーリーグ…頼みの綱の広告収入も減少か

公開日: 更新日:

 マイナーリーグ各球団が公表した2022年の来場者数は、120球団合計で3091万6465人を記録し、1試合当たりの平均来場者数は3910人であった。

 20年は新型コロナウイルス感染症のためにシーズンが中止となっており、40球団を削減して120球団制に移行した昨年は合計6828試合を行い、1試合当たりの平均来場者数は3205人だった。

 05年からコロナ禍以前の19年までの15シーズンの平均来場者数が1試合当たり4150人であったことを考えれば、今季のマイナーリーグはコロナ禍で受けた打撃から順調に回復していると思われるだろう。しかし、球団の財政面に焦点を当てれば、数年以内にかつてのような状況に戻れるかという点について楽観を許さない。

■期待薄の放映権料

 放映権料が大きな収入源となっている大リーグ各球団と異なり、ラジオの地方局による実況中継やインターネット上でのストリーミング配信が中心のマイナーリーグでは放映権料収入に多くを期待できない。各球団の年間の平均売り上げの大半は、入場料や飲食品の販売が占めるのが実情だ。

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