WBC迫る侍Jに「3つの難題」…大谷の二刀流参戦、朗希の起用法、坂本招集への障壁

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強化試合メンバーに本職の一塁手を招集せず

 野手も不安が少なくない。現役メジャーリーガーからは大谷に加え、鈴木(カブス)が参戦する可能性がある。そうなればDHと外野は心配なさそうだが、問題は内野だ。

 三塁は史上最年少で三冠王を獲得した村上(ヤクルト)が君臨する一方で、他の3ポジションは選手層が薄い。5日の日本ハム戦には、一塁・牧(DeNA)、二塁・中野(阪神)、遊撃・源田(西武)が先発出場。6日の巨人戦では一塁・牧、二塁・山田(ヤクルト)、遊撃・中野がスタメンに名を連ねた。

 牧と日ハム戦の中野は本職以外のポジションだった。世界一を達成した09年大会は、川崎(ソフトバンク)や片岡(西武)、内川(横浜)が控えメンバーだったことを考えてもその差は明らかだ。

 栗山監督によれば、あえて今回の強化試合メンバーに本職の一塁手は招集しなかったという。二塁手の牧を一塁でスタメン起用し、フル出場させたのは本番を見据えたものだろう。名球会会員の評論家・山崎裕之氏の話。

「本来なら長打力がある山川(西武)あたりを呼べたらと思うが、守備に難があるし、本人の出場意欲の問題もある。牧は器用で二塁手としてセンスが良く、守備はうまい。二塁は山田もいますが、牧は二塁の方が生きる気がします。村上や岡本(巨人)も一塁の経験があるものの、特に岡本に関しては肝心の打撃が上がってこないことには……。いずれにせよ、一塁は捕球、送球を含めて多くの技術が求められる。栗山監督も選考に再考の余地があるでしょう」

 遊撃もしかりだ。今回の強化試合メンバーで、19年プレミア12から侍の常連となっている源田が正遊撃手を務める可能性が高いが、源田に続く遊撃手は中野、今宮(ソフトバンク)くらいだ。

■坂本招集にはスポンサーへの配慮が

「代表周辺では、13年大会から昨夏の東京五輪まで侍ジャパンを牽引し続けてきた坂本(巨人)への待望論がある。多くの代表選手に慕われ、結果も残してきた。本人は今年1月に『必要とされるのであれば、断る理由はない』と話しているが、今季はわずか83試合出場で打率.286、5本塁打、33打点と低迷しただけでなく、9月には週刊文春に女性問題をすっぱ抜かれ、その衝撃的な内容が大きな波紋を広げた。東京ラウンドの主催が読売とはいえ、坂本の招集に関してはスポンサーにも配慮しなければいけない。招集の障壁は高いのが現実です」(メディア関係者)

 ひとまず侍ジャパンは9日からの豪州戦でどんなパフォーマンスを見せるか。栗山監督は本番に向け、数々の難題をクリアする必要がありそうだ。

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