元ロッテ山崎裕之氏が村田兆治氏を悼む「頑固一徹、でも試合になると野手と息ぴったり」

公開日: 更新日:

■あうんの呼吸

 山崎氏にとって特に印象深いのは、「隠し球」を巡るやりとりだという。

「二塁走者への隠し球はよくやりましたよ。これは投手との連係が必要不可欠。というのも、ボールを持たずにプレートに足をかけてしまうと、ボークになってしまうからです。適時打を打った打者が二塁上に来た時や送りバントが成功した時などは気が緩むのか、走者と一塁コーチャー、三塁コーチャーがボールから一瞬、目を離すことがある。このスキに私がボールを持っていた場合は、一塁手の名前を呼んで、ちらっとボールを見せる。これで兆治も気付くんですよね。あうんの呼吸で、『ひと呼吸置こう』といった自然な動作で、ロジンバッグをポンポンとやる。それを見た二塁走者がリードを取った時……というわけです。私の隠し球は兆治の協力あってのものでした」

 引退後も一匹狼を貫き、コーチを務めたのはロッテで1年、ダイエーで3年のみ。野球の普及活動には熱心で、離島での野球教室は氏のライフワークとなっていた。

 不世出のエースに合掌──。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    もしやり直せるなら、入学しない…暴力に翻弄されたPL学園野球部の事実上の廃部状態に思うこと

  2. 2

    「たばこ吸ってもいいですか」…新規大会主催者・前澤友作氏に問い合わせて一喝された国内男子ツアーの時代錯誤

  3. 3

    永野芽郁は疑惑晴れずも日曜劇場「キャスター」降板回避か…田中圭・妻の出方次第という見方も

  4. 4

    巨人阿部監督が見切り発車で田中将大に「ローテ当確」出した本当の理由とは???

  5. 5

    「高島屋」の営業利益が過去最高を更新…百貨店衰退期に“独り勝ち”が続く背景

  1. 6

    かつて控えだった同級生は、わずか27歳でなぜPL学園監督になれたのか

  2. 7

    JLPGA専務理事内定が人知れず“降格”に急転!背景に“不適切発言”疑惑と見え隠れする隠蔽体質

  3. 8

    「俳優座」の精神を反故にした無茶苦茶な日本の文化行政

  4. 9

    (72)寅さんをやり込めた、とっておきの「博さん語録」

  5. 10

    第3の男?イケメン俳優が永野芽郁の"不倫記事"をリポストして物議…終わらない騒動