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反町康治日本サッカー協会技術委員長

1964年3月8日、さいたま市出身。静岡・清水東高から慶応大。総合職で入社した全日空の社員Jリーガーとして横浜フリューゲルスでプレー。94年に全日空を退社してJ湘南とプロ契約。元日本代表MF。97年に引退。2001年に新潟監督。08年北京五輪代表監督、日本代表コーチを兼任した。湘南と松本山雅でも監督を務め、20年3月にJFA技術委員会の委員長に就任。

(1)スペイン戦の同点弾は日本サッカーの大きな自信と今後の指針のひとつになった

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前田は松本山雅でプロデビュー

 ──前田は反町委員長が松本山雅の監督時代にプロデビューさせました。

「それは本当にたまたまです(苦笑)。ただ、不思議なもので、もし大然が15年12月に山雅の練習参加に来なければ、サッカーをやめていたかもしれないんですよね。(出身の)山梨学院高の吉永一明監督(現・新潟シンガポール監督)やスカウトに感謝しなきゃいけないと思います。翌16年シーズンのJ2開幕戦で大然はプロデビューしたけど、その試合にはGKのシュミット(ダニエル=シントトロイデン)がレンタルで松本山雅に来てのデビュー戦でした。凄い巡り合わせだと思いますよ」

 ──ボール奪取力が光った中盤の心臓である遠藤航(シュツットガルト)も、反町委員長が湘南監督時代に17歳で抜擢。やはり感慨深いのでは?

「航は10年9月の川崎戦でデビューさせたんですが、前半でチームは3失点して前半の45分で代えました。『あの時は前半で代えられて当然です』と本人も話していたよ(笑)。結果的に1-6の大敗でしたしね。あれから12年を経て、W杯で<ボールを刈り取る力>を世界に示すまでになった。でも自分が彼に関わったのも本当にたまたまだと思います」

 ──カタールW杯を集大成と位置付けていた長友佑都(FC東京)や吉田麻也(シャルケ)も、反町監督が率いた北京五輪代表のメンバーでした。

「長友は当時、明治大学の学生。コーチだった江尻(篤彦=現・東京V強化部長)の後輩という縁もあり、推薦されて江戸川の競技場とか何回か見に行った。当時は左SBが日本の弱点と言われていたけど、左右のSBをこなせる長友は貴重な存在だと感じた。<調子乗り世代>(87年以降生まれ)のひとりだった麻也にしても、07年U-20W杯(カナダ)には行ってないけど、あのグループから香川(真司=セレッソ大阪)らとともに引き上げた選手ですね。いずれにしても、今回のカタールには真剣勝負に行ったわけだし、過去の関係性とか感慨なんて関係なしに、しっかりと見守った。彼らとは話す機会が多かったし、何かあればアドバイスするという形を取っていました」(つづく)

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