著者のコラム一覧
元川悦子サッカージャーナリスト

1967年7月14日生まれ。長野県松本市出身。業界紙、夕刊紙を経て94年にフリーランス。著作に「U―22」「黄金世代―99年ワールドユース準優勝と日本サッカーの10年 (SJ sports)」「「いじらない」育て方~親とコーチが語る遠藤保仁」「僕らがサッカーボーイズだった頃2 プロサッカー選手のジュニア時代」など。

上田綺世は代表FW序列トップの予感も…ベルギー1部14ゴールを「特別な数字ではない」と断言

公開日: 更新日:

上田綺世(セルクル・ブリュージュ・FW/24歳)

「(最前線に求めるのは)まず点を取ること。世界トップ基準で考えると攻守両面で貢献できる部分は絶対に必要。総合的に見ていきたい」

 第2次森保日本の初陣となる3月24日のウルグアイ戦、28日のコロンビア戦に向け、FW陣にこう要求した森保一監督。その筆頭と目されるのが、今季ベルギーで14得点を挙げている上田だ。

「今の自分はチームでセンターFWをやれていないけど、どういうチームや環境でも点を取るのが自分の役割」と言い切る24歳の点取屋への期待は高まる一方なのである。

 ◇  ◇  ◇

 20日に新生・森保日本代表の強化合宿がスタートした。

「薫君(三笘=ブライトン)とか律(堂安=フライブルク)とか同世代の選手たちが、欧州5大リーグのトップでやってることに刺激を受けています。常に大舞台でやってる選手はW杯でも違いを出せる。僕は(無得点に終わった)コスタリカ戦であれしかできなかったし、ドイツ戦、スペイン戦に出たら何ができたのかという考え方もある。彼らをリスペクトしつつ、僕は今いるクラブで自分のアップデートと向き合っていかないといけないと思っています」

 現地取材に赴いた2月にこう言っていたが、約4カ月ぶりの盟友との共闘で自身の現在地や成長を再確認できるはずだ。

 その上田自身は、カタールW杯時点とは明らかに違っている。というのも、年末に再開した今季ベルギー1部後半戦で7ゴールを固め取りし、得点王争いに参戦しているからだ。

 同じ東京五輪代表で1年早くベルギーに移籍したFW林大地(シントトロイデン)も「あいつはホンマにすごい。どこへ行っても点を取れるんじゃないですか」と驚き半分に語っていたほどだ。

 欧州挑戦1年目、しかも本職の1トップでなく、3-4-2-1の左シャドウという不慣れな位置でこれだけの数字を残してしまうのは、やはりただ者ではない。

「今のチームで9番(1トップ)をさせてもらえないのは、体の強さとか求められることの相違だとか、いろんな要素が絡み合ってますね。自分のベストポジションじゃないことには複雑な感情もありますけど、点を取ることで一番信頼されると僕は思っているんで。新たな役割を担うことでFWだったら分からなかった感覚にトライしていけるし、サッカー観も広げられる。もちろん動き出しとかポジショニングといった1トップの感覚をなくさないことも大事ですけど、今は前向きにチャレンジしてます」

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    ドジャース佐々木朗希「今季構想外」特別待遇剥奪でアリゾナ送還へ…かばい続けてきたロバーツ監督まで首捻る

  4. 4

    中日・中田翔がいよいよ崖っぷち…西武から“問題児”佐藤龍世を素行リスク覚悟で獲得の波紋

  5. 5

    西武は“緩い”から強い? 相内3度目「対外試合禁止」の裏側

  1. 6

    「1食228円」に国民激怒!自民・森山幹事長が言い放った一律2万円バラマキの“トンデモ根拠”

  2. 7

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも

  3. 8

    辞意固めたか、国民民主党・玉木代表…山尾志桜里vs伊藤孝恵“女の戦い”にウンザリ?

  4. 9

    STARTO社の新社長に名前があがった「元フジテレビ専務」の評判…一方で「キムタク社長」待望論も

  5. 10

    注目集まる「キャスター」後の永野芽郁の俳優人生…テレビ局が起用しづらい「業界内の暗黙ルール」とは