著者のコラム一覧
鈴村裕輔野球文化学会会長・名城大教授

1976年、東京都出身。法政大学博士(学術)。名城大学外国学部教授。主な専門は政治史、比較思想。野球史研究家として日米の野球の研究にも従事しており、主著に「MLBが付けた日本人選手の値段」(講談社)がある。スポーツを取り巻く様々な出来事を社会、文化、政治などの多角的な視点から分析している。アメリカ野球学会会員。

MLBで「ピッチクロック」導入の背景…3時間中プレー時間20分じゃ時短は当然

公開日: 更新日:

 2015年1月にコミッショナーに就任した時から広く知られていたのは、ロブ・マンフレッドが野球の試合時間の短縮の必要性を訴える時短主義者であるということだった。

 現在、大リーグでは17年からの申告敬遠制度の実施をはじめ、ワンポイントリリーフの禁止(20年)、延長戦でのタイブレークの導入(20年)と、試合時間の短縮を目的とする措置が実施されている。

 今季は内野守備での極端なシフトの禁止、ベースの大型化に加えて、新たにピッチクロックが導入された。

 一連の施策を見るだけでも、マンフレッドの大リーグの現状への危機感の強さが分かる。12年に公式戦の平均試合時間が12年ぶりに3時間台になると、それ以降は2時間台に戻ることはなく現在に至っている。

■メジャー観戦はテレビからスマホへ

 大リーグにとって重要な収入源のひとつがテレビ放映権料である。平均視聴率は2ケタが当たり前であった1990年代までの状況とは異なり、現在の大リーグでは公式戦のテレビ視聴率が1ケタとなっている。それでも、確実に視聴率を確保できる大リーグの試合は、依然としてテレビ局にとって欠かすことのできない素材である。

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