著者のコラム一覧
太刀川正樹ジャーナリスト

1946年、東京生まれ。国際ジャーナリスト。早稲田大学教育学部英文科在学中、韓国国立ソウル大学語学研究所へ留学、韓国語を学ぶ。講談社の日本語版「ペントハウス」ニューヨーク特派員などを経験。著書・訳書に「政権交代」「平壌十五号官邸の抜け穴」「オリンピック30年」など。

【catch17】大谷翔平獲得めぐる各球団のジレンマ…米国の戦争文学「catch22」が元ネタ

公開日: 更新日:

 一見、数字の謎解きに思える。タネ明かしをすると、背番号17の大谷獲得を巡る各球団の「どうにもならない状況」「ジレンマ」「板挟み状態」を表現するスラング。米国では日常会話にもよく出てくるフレーズだ。

 由来は米国の作家、ジョセフ・ヘラーの戦争文学で、1970年に映画化された「catch22」(マイク・ニコルズ監督)。第2次大戦中の空軍部隊規則(22項)にあった、「精神障害にかかった兵士は戦闘を免除されるが、自分から精神障害だと申し出ると正気と見なされ、戦い続けることを命令される」というジレンマに兵士が直面したことから、このフレーズが生まれた。

■最初に書いたのは米スポーツサイト「FanNation」

 大谷の去就を巡って、「catch22」をもじって「catch17」というフレーズを最初に書いたのが米スポーツサイト「FanNation」のジェフ・スナイダー記者。昨年末に早くも「どうしても獲得したかった選手が、1年以内にチームを去ったり、最悪の場合はケガをしたりすれば、そのチームとファーム育成の努力はマヒ状態(cripple)に陥る。大谷翔平の場合もしかりだ。まさに“catch17”というジレンマに陥る」と報じていた。つまり、大谷獲得のためのメリットとデメリットを考えると、悩みは深いと書いている。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    【広陵OB】今秋ドラフト候補が女子中学生への性犯罪容疑で逮捕…プロ、アマ球界への小さくない波紋

  2. 2

    海星・陣内優翔は長崎県初の“完全男”だが…スカウトが「上位獲得」を渋るワケ

  3. 3

    NHK「昭和16年夏の敗戦」は見ごたえあり 今年は戦争特別番組が盛りだくさん

  4. 4

    二階堂ふみ&カズレーザー電撃婚で浮上したナゾ…「翔んで埼玉」と屈指の進学校・熊谷高校の関係は?

  5. 5

    自死した元兵庫県議の妻がN党・立花孝志党首を「名誉毀損」の疑いで刑事告訴…今後予想される厳しい捜査の行方

  1. 6

    永野芽郁が“濡れ場あり”韓流ドラマで「セクシー派女優転身、世界デビュー」の仰天情報

  2. 7

    突然のがん宣告にも動揺なし「で、ステージはナンボでしょうか?」

  3. 8

    長崎を熱狂させた海星・酒井圭一さんが当時を語る…プロ引退後はスカウトとして大谷翔平を担当

  4. 9

    安藤サクラ「柄本佑が初めて交際した人」に驚きの声…“遊び人の父”奥田瑛二を持つ娘の苦悩

  5. 10

    平和記念式典での石破首相スピーチの評判がすこぶるいいが…原稿を下書きしたのはAIだった?