大谷翔平「左翼起用」に右肘パンクのリスク…DH独占を回避したいロバーツ監督の思惑と負担過多

公開日: 更新日:

160キロの送球

 とはいえ、大谷は過去6年間で右翼手として6試合、左翼手として1試合守備に就いただけだ。右肘手術の執刀医でチームドクターのエラトロッシュ医師によれば、来年9月には実戦形式の投球練習ができる見通しらしいが、手術明けの大谷が果たして来季、左翼を守れるのだろうか。

ドジャースタジアムは左中間が117メートル、他の球場と比べて4メートルくらい深い。ファウルテリトリーが狭いため、クッションボールの処理も難しい球場です。一線級の外野手は助走をつけて160キロくらいの送球をしますが、手術明けの大谷はおそらく怖くて全力で投げられないと思う。もっともドジャースの左翼はかつて、守備のマズいマニー・ラミレスが守っていたほど。ロバーツ監督も大谷の左翼守備に大きな期待はしていないでしょうが……」(友成那智氏)

 それでも、入団会見であれだけ勝利への強いこだわりを見せた大谷のこと。実際に左翼守備に就くようなら、手を抜くようなことはしないに決まっている。

 左中間の打球を処理、二塁で殺そうと160キロの送球をしようものなら、それこそ右肘がパンクすることだってあり得る。

■かつては同僚も警鐘

 左翼起用も含めた投手、打者、左翼手の三刀流プランは、来季以降も波紋を呼ぶ。右肘の状態が万全になり、仮に左翼手としてのメドが立てば大谷がDHを独占する状況は変わる。しかし、三刀流はあまりにも負担が大き過ぎるからだ。

「エンゼルス時代にマドン監督のもと、大谷は試合終盤に外野を守ったことがある。その当時、同僚で主力外野手のアップトンは、ケガのリスクがつきまとうだけにやめた方がいいと警鐘を鳴らしたほど。二刀流はただでさえ負担が大きい。大谷は今年、右肘靱帯損傷以外に脇腹も痛めた。WBCで開幕前からフル回転したのは大きいが、あれだけ節制して自己管理をする大谷ですら体が悲鳴を上げた。来季は30歳。体力も衰えてくるだけに、これ以上、体に負荷をかけるのは危険だと思いますね」(友成那智氏)

 大谷は米国で「ユニコーン」(一角獣)と呼ばれている。打って投げて飛び抜けているから伝説上の生き物に例えられているものの、大谷だって人間なのだ。

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