著者のコラム一覧
鈴村裕輔野球文化学会会長・名城大教授

1976年、東京都出身。法政大学博士(学術)。名城大学外国学部教授。主な専門は政治史、比較思想。野球史研究家として日米の野球の研究にも従事しており、主著に「MLBが付けた日本人選手の値段」(講談社)がある。スポーツを取り巻く様々な出来事を社会、文化、政治などの多角的な視点から分析している。アメリカ野球学会会員。

薬物疑惑が左右した大リーグ「野球殿堂選考」…シェフィールドは500本塁打クリアも選外に

公開日: 更新日:

 奔放な言動で知られるシェフィールドは「3000安打」とともに打者の殿堂入りの目安となる「500本塁打」を記録している。そのため、本来なら選出されても不思議ではない。だが、2003年に問題化した不正薬物の使用との関わりを指摘され続けたことが得票の伸びを抑えたのである。

 これは、ヘルトンとマウアーが薬物問題と無関係な選手として知られたことと著しい対照をなす。2人は実力で優れた成績を残したのに対し、シェフィールドは薬物の使用によって好成績をあげたと理解され、殿堂入りできないマーク・マグワイアやサミー・ソーサ、バリー・ボンズ、あるいはロジャー・クレメンスなどと同一視されているのだ。

 本人が使用を否定しても疑惑を払拭できないことは、選手の評価を歪めかねない。現在の規則の基準で過去を判断することにも異論がある。それでも、現在のBBWAAは疑惑を持つ者への厳しい姿勢を緩めることはないのである。

 ◇ ◇ ◇ ◇

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