著者のコラム一覧
春日良一五輪アナリスト

長野県出身。上智大学哲学科卒。1978年に日本体育協会に入る。89年に新生JOCに移り、IOC渉外担当に。90年長野五輪招致委員会に出向、招致活動に関わる。95年にJOCを退職。スポーツコンサルティング会社を設立し、代表に。98年から五輪批評「スポーツ思考」(メルマガ)を主筆。https://genkina-atelier.com/sp/

なぜ世界陸連コー会長はことごとくIOCに反旗を翻すのか…度重なる「逸脱行為」真の狙い

公開日: 更新日:

 世界陸連会長セバスチャン・コーは明らかに国際オリンピック委員会(IOC)とは別の道を行こうとしている。

 日本では全く報道されていないが、彼は6月下旬に突如ウクライナを訪れ、ゼレンスキー同国大統領と会談、彼を自分の個人的なゲストとしてパリ五輪に招待したのだ。

 コーといえば、本コラムの第1回で取り上げたように、パリ五輪の陸上金メダリストに5万ドル(約800万円)の賞金を出すという五輪史上初の試みを、IOCに何の相談もなく発表した男だ。ここまでくると彼は明らかにある目的を持って行動に出ていると考えるべきだろう。

 パリ五輪にはロシアやベラルーシの国籍の選手であっても、中立的地位を宣言した選手は個人として参加することができる。これがIOCの方針である。この方針に唯一反旗を翻している国際競技連盟が世界陸連だ。パリ五輪の陸上競技には、ロシアもベラルーシも誰一人参加できない。

 オリンピックに参加することは金銭的対価を超えた名誉であるという五輪の慣習を賞金付与で揺るがし、選手はあらゆる差別を受けるべきではないという五輪の原則を堂々と否定しているコーの動きは、自らもその委員であるIOCへのレジスタンスにすら思える。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    国分太一が社長「TOKIO-BA」に和牛巨額詐欺事件の跡地疑惑…東京ドーム2個分で廃墟化危機

  2. 2

    遠野なぎこさんか? 都内マンションで遺体見つかる 腐乱激しく身元確認のためDNA鑑定へ

  3. 3

    “お荷物”佐々木朗希のマイナー落ちはド軍にとっても“好都合”の理由とは?

  4. 4

    ドジャース大谷翔平に「不正賭博騒動」飛び火の懸念…イッペイ事件から1年、米球界に再び衝撃走る

  5. 5

    “過労”のドジャース大谷翔平 ロバーツ監督に求められるのは「放任」ではなく「制止」

  1. 6

    酒豪は危険…遠野なぎこが医学教授に指摘された意外な病名

  2. 7

    今度は井ノ原快彦にジュニアへの“パワハラ疑惑”報道…旧ジャニタレが拭い切れないハラスメントイメージ

  3. 8

    TOKIO解散劇のウラでリーダー城島茂の「キナ臭い話」に再注目も真相は闇の中へ…

  4. 9

    近年の夏は地獄…ベテランプロキャディーが教える“酷暑ゴルフ”の完全対策

  5. 10

    「かなり時代錯誤な」と発言したフジ渡辺和洋アナに「どの口が!」の声 コンパニオンと職場で“ゲス不倫”の過去