巨人・戸郷翔征に伝えたい「あなたの最大の武器はフォークではなく、インコースへの真っすぐだよ」と
いまだに日本では「直球のシュート回転は悪」だと言われる。
開幕から4連敗と苦しむ巨人の戸郷翔征(25)についても、同様の指摘が多くあるが、私はそうは思わない。むしろ、右打者の内角へ食い込むように曲がる直球が、実は戸郷の最大の武器だと見てきた。
外角を狙った直球が真ん中に入ってくるのは考えものだが、内角へのそれは逆に威力を増す。要は使いよう。シュート回転はダメだと決めつけ、自分を追い込む必要はないということだ。
今季の戸郷の投球を見ていると、昨年までは度胸よく投げ込んでいたその内角球を、まったく効果的に使えていない。昨季の後半くらいから、せっかくいい武器を持っているのに、いよいよフォークに頼っている印象があった。
確かに、戸郷のフォークはいい。キレも落差もあって、面白いように打者のバットに空を切らせる。これを多投すれば、ピッチングはラク──そう思ったところに落とし穴がある。よく効くが、使い過ぎると効き目が薄れる。私が「フォークは劇薬」と言うのはそういうことで、決め球にもカウント球にも使い始めると、打者から見れば怖さはなくなるのだ。