阿部巨人にのしかかるミスター追悼の重圧…OBやファンが醸す「手向けの優勝しかあり得ない」雰囲気
「勝っていい報告をすることしかできないって選手に言った。みんなで頑張って、結果が出ない人はしっかり自分の現実を受け止めてやってほしい」
昨4日に1日遅れで巨人の交流戦が開幕。序盤にパ・リーグ最下位のロッテ打線に2本塁打を浴びるなど主導権を握られると、昨オフのFA戦線でフラれたロッテ先発の石川柊に7回無失点の好投を許して、移籍後初勝利を献上した。
3日に89歳で死去した長嶋終身名誉監督を悼み、半旗が掲げられる中で行われた試合。巨人は肩に喪章をつけて臨んだが、追悼の白星を届けるどころか3連敗となった阿部慎之助監督(46)は、険しい表情で冒頭のコメントを絞り出した。
阿部監督にとって長嶋終身名誉監督は、プロ1年目の2001年に開幕スタメンマスクに抜擢してくれた恩人。監督就任後も不自由な体をおして激励に訪れ、そのたびにナインにも「勝つ! 勝つ! 勝つ!」とハッパをかけてもらった。
「それだけに、秋には優勝、日本一を報告したいという思いは、いつも以上に強い。追悼ムード一色の中、OBもファンもそれを望む。手向けの優勝しかあり得ないという雰囲気がチームにとっては重圧になってしまうかもしれません」(巨人OB)