長嶋茂雄さんは 「○○○○付いてんのか!」と激怒するや、助っ人のバスタオルを引っぱがした
2006年掲載「田沼一郎氏 巨人助っ人三国志」の第8回を再公開
“燃える男”、“ミスター”の愛称で国民的人気を誇ったプロ野球元巨人監督の長嶋茂雄さんが6月3日、都内の病院で肺炎のために亡くなった。享年89。選手、監督として数々の伝説、逸話を残した「ミスタープロ野球」は、身近に接した誰もにそれぞれの「長嶋茂雄像」を強く印象づけてもいる。日刊ゲンダイの連載で多くの球界OBが語ってきたその実像を再構成して緊急公開します。
今回は巨人の元通訳、渉外担当を務めた田沼一郎氏による「巨人助っ人三国志」の第8回(2006年掲載)を再公開(本文中の年齢・肩書きなどは当時のまま)。
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巨人で僕の通訳という仕事は、首脳陣、選手、フロントと外国人選手の間に入って、日本語を英語に、あるいは英語を日本語に訳すことである。とはいっても訳さないケースもあれば、訳せない場合もある。とっさのあまり、日本語あるいは英語の単語を忘れて通訳できなくなることもある。
昭和50年のことだ。試合に負けたロッカーで長嶋監督がデーブ・ジョンソンのバスタオルをはぎ取って、「○○○○、付いてんのか!」と怒鳴ったことがあった。