佐々木朗希「8月下旬ローテ復帰」構想がドジャースの新たな火種…先発投手1人が弾き出されることに
深まる周囲との溝
佐々木は日本でプレーしていたころから、絶対的な能力の持ち主として注目されていた。それは13者連続三振、1試合19奪三振、プロ野球史上最年少(20歳5カ月)で達成した完全試合などで明らかだ。
その一方で、脆弱な体力、チーム状況にかかわらず少しでも違和感があると投げないスタンスは海を渡っても相変わらずだ。前出の特派員がこう言った。
「インピンジメント症候群は、肩関節の中で腱や筋肉が骨と擦れたり、挟まれたりして痛みや炎症が生じる。ですが佐々木の場合、精密検査で異常が見つかったわけではないといいます。つまり痛みや違和感などに関しては、本人の意向を尊重する以外にない。それでも平地のキャッチボールでは平気で140キロ超の球を投げ、隣にいたカーショーが目を白黒させていたほど。もちろん痛みがあるのは事実でしょうけど、『本当はもう痛くないんじゃないか』との声も現地メディアからは上がっていた。自分からナインや報道陣と話すわけじゃなく、後ろから抱きつくなど佐々木にちょっかいを出しているのは大谷くらい。周囲との溝が深まることも危惧されています」
佐々木が戻ってくるであろう8月下旬には、先発として前出の6人がいる見込み。現在5人で回しているローテーションを6人にすることは可能でも、佐々木が先発として復帰するとなると必然的に誰か1人がはじき出されることになる。別の特派員がこう言う。
「力が落ちているとはいえ、レジェンドのカーショーをローテから外すわけにはいかない。となるとメイがロングリリーフに回ることになるのではないか。ナック(28)、シーハン(25)、ロブレスキ(25)ら先発実績のある若手のローテ入りはますます困難になる。佐々木が復帰後、絶対的な力を発揮すればともかく、そうでなければ波紋が生じますよ」
2位・パドレスに5.5ゲーム差をつけてナ・リーグ西地区首位で前半戦を折り返したドジャースだが、ひと月もすれば新たな火種を抱えることになる。
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今回の佐々木の故障離脱は「自業自得」とも言える。ロバーツ監督も佐々木のコミュ力に苦言を呈したように、異変を感じながらも報告を怠ったのも問題だが、そこに至るまでの軌跡は、イソップ童話の「オオカミ少年」に酷似しているのだ。いったいどういうことか。ロッテ時代から繰り返してきた「悪癖のツケ」とは。いったい佐々木に何が起きていたのか。
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