阪神の独走を許した「巨人の大罪」…1点差にめっぽう弱い要因を元コーチ2人が看破する
正捕手が甲斐で変わったリード面
「五回は勝利投手の権利がかかり、先発投手が疲れてくるイニング。今季はエース戸郷を筆頭に井上、田中将など、開幕前に期待していた先発陣が軒並み崩れたことが一因。そのしわ寄せがリリーフ陣、特に八回の失点の多さにつながっているのではないでしょうか」
救援防御率は2.72。これは阪神に次ぐリーグ2位だから決して悪くはないのだが、勝ちパターンのリリーフ陣がいまひとつ。八回は昨季守護神を務めた大勢が登板するケースが多いが、今季は7勝4敗、防御率2.29。対戦別では中日戦4.50、広島戦3.24、ヤクルト戦2.79にとどまる。前出の高橋氏が話を引き取る。
「大勢は絶対的な抑えだった頃と比べ、失点する試合が目立ちます。先発陣が脆弱だと、リリーフ陣がブルペンで肩をつくるケースが増えてくるので、たとえ登板がなくても、全体的に負担がかかるもの。八回は試合が動くことが多く、失点がそのまま1点差試合の敗戦につながっていく。かつて勝ちパターンだった中川も今季は良くない。31日に4失点したのは七回だったが、阿部監督の投手交代が遅いのも気になった。見切りが早かった原前監督を反面教師にしているのかもしれないが、今季は終始、投手交代が遅い。接戦を落とす一因だと思います」
秦氏は「正捕手が代わった影響も否定できないでしょう」とこう続けた。
「巨人は今季、甲斐をFA補強しましたが、投手陣が甲斐と息の合っていない試合が多かったのではないか。主戦捕手を昨季までの岸田に戻したところから、投手陣も落ち着いたように見えます。昨季のように岸田を軸に、1点差を守りたい時は小林、打撃に転じたい時は大城卓を併用した方が、接戦を拾えたのではないか。結局、マルティネスという抑えの最強助っ人を補強したのに、リードを保って九回につなげなければ、宝の持ち腐れです」
早々とセの灯を消した巨人の罪は重い。
◇ ◇ ◇
そんな巨人のチーム内の雰囲気も最悪といっていい。ここにきて杉内投手チーフコーチのストレスが爆発。選手に苦言を連発しているが、「選手を吊るし上げる前に、やることがあるだろう」という声も上がっている。いったいいま、巨人に何が起きているのか。
●関連記事【もっと読む】…では、それらについて詳しく報じている。