災害級の酷暑でグリーンの芝管理は限界だが…「先祖返り」が解決策にならないか?
ナショナルオープンの舞台をベストな状態に仕上げるには「3年の準備期間が必要」と聞きました。ですが、ひと夏に約2000人が熱中症で亡くなるほどの暑さです。国内で主流のベント芝の1グリーンでは、通常営業を行いながらナショナルオープン用のグリーンを造るのは不可能に近い。芝の品種改良は進んでも、通常営業さえ困難になってきました。
かつて国内コースの多くは、コーライ芝とベント芝の2グリーンでした。気温と湿度が高い夏にはコーライグリーンを使い、冬場は寒さに強いベント芝に替えてコーライは休ませるという使い方です。
1980年ごろからベントの1グリーンが主流となり、「コーライ+ベント」や「ベント+ベント」の2グリーンはかなり減りました。
「2グリーンは日本独特なもので、グリーンへ向かって景観が広がり、戦略的にもおかしい」という声はありますが、2つのグリーンは距離を変え、完全にセパレートされていればトーナメントにも対応できます。
2グリーンなら、ベントでも芝質を変えたり、大会で使用するグリーンを長期間休ませるなどすれば、今よりは硬さや速さを上げることはできるのではないか。2グリーンへの回帰が酷暑対策になればいいのですが。