引退の巨人・長野久義 悪評ゼロの「気配り伝説」…驚きの証言が球界関係者から続々
寮生活を送っていた新人時代、遠征先から帰ってくるたびに、寮長やコック、清掃員にまで土産を買ってきた。当時の寮長、樋沢良信氏はこう言っていた。
「寮生には『人に好かれる人間になりなさい。その第一歩が挨拶、感謝の気持ち。礼儀正しい人間になれ』と口を酸っぱくして言ってきたが、長野にはそういう指導は必要なかった。遠征先から帰ってくれば、必ず寮で働く20人前後のスタッフに手土産を持ってくる。一軍にいるほかの寮生も同様だが、長野はその際に必ず『みなさんで召し上がってください』と言い添える。そういう気配りができるから、賄いさんにも掃除のおばさんにもとにかく好かれていた」
自身がヒーローになった試合後、群がる報道陣に向けて手を合わせ、「(記事には)『長野に笑顔はなかった』でお願いします」と頭を下げたのは、打てなかったチームメートが嫌な気分にならないよう配慮したものだった。
アマチュア時代の後輩にあたる某球団の選手が言う。
「関東に遠征に行くと、夜に長野さんから電話がかかってくるんです。『ちゃんとメシ食った?今、銀座にいるから飲みに来なよ』って。凄いのは、ボクが他の球団との試合で関東に行っても連絡をくれること。巨人戦の後でもないのに。何でボクが関東にいるの知ってんの? って驚きましたから。あんなに後輩の面倒見がいい先輩をボクは知りません」