不屈の男ロッテ美馬学を語る…「引退するのになぜ手術?」その答えがどこまでも彼らしかった
常軌を逸するストイックさゆえに、何度もケガに泣かされてきた。しかし、投げられない期間でも練習を休んだ記憶がありません。走り込みやランニングなど、私が指示するまでもなく、できることを一生懸命にやっていました。中大時代を含め、右肘の手術回数は実に6度。心がくじけてもおかしくありませんが、そのたびに、歯を食いしばって第一線に戻ってきた。弱音なんて聞いたことがありません。
そんな不屈の男が「限界」と言うのだから、これ以上ないほどギリギリの、いっぱいいっぱいだったのでしょう。9月30日に行われた楽天との引退試合では、ゾゾマリンスタジアムの応援席から最後の姿を目に焼き付けました。
対戦相手の浅村栄斗選手には感謝を伝えたい。美馬は途中から制球が定まらなくなり、カウント2-2から2球連続で浅村選手の背中側にすっぽ抜けてしまった。それでもあえて空振り三振をして、教え子の花道を飾ってくれたのです。心から、ありがとうございました。
美馬は「3球目で肘の感覚がなくなっていた」とのことで、翌日の検査で右肘屈筋共同腱断裂が判明しました。


















