福留孝介の飽くなき向上心…首位打者を取っても「物足りない。3割5分は打ちたい」
「何がポストシーズンじゃ。ふざけるな! やれ! 選手会がナンボのもんじゃ!」
恐ろしいのは、173条の文言に続きがあること。
「選手が球団の命令に基づかず自由意志によって基礎練習を行うことを妨げない」
練習を強制してはいけないという規則があるため、選手はユニホームではなくジャージーで練習させられていた。
自主トレとは名ばかりで、若手から中堅の選手は自主的にやっている体裁で、伊良湖に強制連行。このとき、俺はすでにハワイでの自主トレを恒例行事にしていて、1月4日には日本を離れていた。前半はハワイ島、後半はオアフ島での調整がルーティン。01年1月は種田仁、落合英二、小山伸一郎に加え、孝介も一緒にトレーニングする計画を立てていた。
ところが、それを知った星野監督はこう言った。
「ナニ!? ハワイなんか行っとる場合か! 全員伊良湖に行け!」
だがこのとき、俺は引かなかった。
「いや、僕はハワイで自主トレしたいので、伊良湖には行きません」
すでにレギュラーだったこともあって、監督の指令をキッパリ断った。すると、星野監督から意外な言葉が返ってきた。


















