福留孝介の飽くなき向上心…首位打者を取っても「物足りない。3割5分は打ちたい」
「武司さんの記録を抜きたい」
これは中日のチームメートだった福留孝介の言葉。記録とは現役最年長記録のことだ。
孝介は俺と同じ45歳のシーズンにユニホームを脱いだが、練習嫌いの俺とは違ってめちゃくちゃ練習をするストイックな男。主力になっても常に前向きで、進化を求めていた。
調子がいいときに何かを変えると、元に戻せないのではと躊躇するもの。でも、孝介にはそういう感じが一切ない。キャンプでは「それは打てんだろう」というような変わった打ち方も試していた。
2002年、孝介はプロ4年目で首位打者を獲得。05年には打率.328でリーグ2位の好成績を残した。それでも孝介は「打率3割2分、3分じゃあ物足りない。3割5分は打ちたい」と話していたほどだ。
マイペースでブレない孝介は、あの星野仙一監督にも臆さなかった。
孝介がまだプロ2年目のオフ、2001年の1月のことだ。チームは伊良湖(愛知)で合同自主トレを敢行。すでにポストシーズン(野球協約173条)が確立されていて、「毎年12月1日から1月31日まではいかなる野球試合、合同練習、指導も行うことができない」という決まりがあった。選手の権利としてシーズンオフを獲得したのだが、星野監督はお構いなしだった。


















