後輩の福留孝介から教わったプラス思考 弱音を吐かず、絶対に「できない」とも言わない
武器である打撃でも、新人記録を更新する121三振。それでも弱音を吐かなかった。絶対に「できない」とは言わない。俺とは正反対のプラス思考だった。内野の守備が厳しいという見方が強まり、02年に外野手に転向したときも「バッティングが生かせるなら、こっちで頑張ります」と常に前を向いていた。
向上心もすごかった。俺は本塁打王の翌年以降、「30本くらい打てればいいか」と考えていた。でも孝介は、現状維持ではなく、常に高い数字を目指し、進化を遂げようとしていた。野球に対する感性、感覚が俺とはまるで違った。
俺も孝介も同じ45歳のシーズンまで現役を続けたが、野球への探求心はあいつの方がずっと上。後になって自分との差に気付かされた。
俺は練習で「突き詰める」ということをしたことがなかった気がする。ちょっとやったら「もういいか、こんな感じやな」と思ってすぐやめていた。プロでの現役生活は俺は27年、孝介は24年と3年長くやったが、トータルしたら孝介の半分も練習していなかったと思う。


















