99年シーズン途中で極度の不振…典型的ゴマすりコーチとの闘争
この高代さんは俺からすれば、監督へのゴマすりに長けた典型的なコーチに見えた。星野監督はああ見えてコーチの意見に耳を傾ける人だったから、なおさらベンチを温める機会が増えた。
■「山﨑を外しましょう」と星野監督に助言
ある日、試合前の練習中にスタメンを外されたことを知り、経緯を聞くと高代さんが星野監督に「山﨑を外しましょう」と助言していたことが分かった。たしかに、俺のバッティングが安定感を欠いていたとはいえ、他に俺と同等の選手がいたかといえば疑問だった。
その時は怒りが爆発しそうになったが、ヘッドコーチの島野育夫さんが高代さんに、「おまえ、いらんこと言うな」と注意し、俺をフォローしてくれたことで気が済んだが、俺も若くて多感だったし、レギュラーとしてのプライドもあった。
高代さんと険悪ムードになったきっかけは、沖縄・春季キャンプのバントフォーメーションの練習だった。
俺と他選手の2人1組が入れ代わり立ち代わりでチャージを繰り返す。ヘトヘトになっているところに、ブルペンから引き揚げてきた星野監督が、三塁付近で仁王立ちしながら、俺たちの練習に目を光らせ始めた。


















