楽天4位・大栄利哉は幼少期に被災、トヨタ自動車投手の兄と歩んだ二人三脚

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「弟は何がなんだか分からなくて、すごく泣いていました」

 そう話すのは、大栄利哉の兄・陽斗さん(24)。現在、社会人野球のトヨタ自動車硬式野球部(愛知県豊田市)で投手を務める。

 2011年3月11日。東日本大震災は野球少年たちの人生も一変させた。陽斗さんは当時、小学校3年生で9歳。下校後、福島県いわき市の自宅で母の恵子さん(51)、大栄とともに被災した。

「僕はたまたま友達と遊ぶ約束をしていて、家に帰ったところでした。お父さんは仕事でいなくて、僕はよく覚えていないんですが、お母さんが言うには、必死で弟を抱きかかえていたらしいです」(陽斗さん)

 大栄はまだ3歳。陽斗さんは6歳下の弟を必死で守ろうとした。

 自宅が高台にあったことから、幸い津波の被害は受けなかった。ただ……。

「通っていた(永崎)小学校は津波で流されてしまいました。幸い、生徒も先生も全員無事だったのは良かったです。(高台にある)自宅から一度外に出たとき、下の方から人が逃げてくる様子は今でも鮮明に覚えています。当時、お母さんが近所に住む子どもたちをウチに呼んで、親御さんたちが帰ってくるまで、『大丈夫だよ』と声をかけていました」(同)

 地震翌日の福島原発事故により、生活は激変した。母方の親戚が暮らす茨城県水戸市に避難して1カ月間、身を寄せた。父の敏さん(51)はいわき市にある工具メーカー「タンガロイ」に勤務する会社員。震災直後は事業がストップしていたが、1カ月後の4月から自宅に戻り、仕事に復帰した。

「自宅は『避難してもしなくてもいいギリギリのエリア』だったので、常に様子を見ながら過ごしていました。野球というか、そもそも外に出ることすら簡単ではありません。放射線量の測定器で数値を測り、オーバーすると外出するのも躊躇しました。地震を機に、少年野球の仲間もバラバラになってしまいましたね……」(同)

 陽斗さんが小学2年で入った軟式チーム「小名浜少年野球教室」は、震災後2カ月間は休部。その後は時間を短縮しながら練習を再開した。

 その後、大栄は小学4年時に入団した。

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