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武田薫スポーツライター

1950年、宮城県仙台市出身。74年に報知新聞社に入社し、野球、陸上、テニスを担当、85年からフリー。著書に「オリンピック全大会」「サーブ&ボレーはなぜ消えたのか」「マラソンと日本人」など。

テニス全米オープンは優勝賞金8億5000万円超、総額は6年で倍増! これほど“天井知らず”になった背景

公開日: 更新日:

 全米の賞金に振り分けられた額は興行利益の20%前後で、選手側は通常ツアー大会並みの22%還元を要求している。

 今年の全仏の賞金は前年比で約10%アップしたが、収益の15%にとどまり、トップ選手は抗議行動に出た。まだまだ上がる気配にはこんな背景もある。

 テニスには4大大会を頂点としたツアーの他に、ランキングポイントと無関係なエキシビションがある。

 2年前に始まった「シックス・キングス・スラム」は今年10月、サウジアラビアのリヤドにシナー、ズべレフ、アルカラス、ジョコビッチ、フリッツ、デミノーの6強を集める。4日間のイベントの優勝賞金は全米を50万ドル上回る600万ドルだ。

 テニス人気の要因は、どこでも誰でも楽しめる手軽さにある。

 ポータブルな特性、男女多様性にフェデラー効果で加速したプレーの進化が絡み、市場はアラブ、中国を中心としたアジア、アフリカ深くへ広がっている。需要が高まれば価値が上がるのは経済のイロハだろう。

 選手の切磋琢磨を促す熱いうねりこそプロフェッショナリズムの源泉だが、そこが日本のアキレス腱……日本のスポーツはいまなお競技団体と新聞社が目を光らせる、古いアマチュアリズムの殻を外せない。良し悪しは別として、世界の歩みと異なることだけは押さえておきたい。

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