(4)「長嶋茂雄にはならない宣言」か…松井監督は恩師2人とは似ても似つかない指揮官になる
ジョー・トーリ氏とは監督としてのタイプが異なる
長嶋終身名誉監督ともうひとり、松井監督が影響を受けた指揮官として名前を挙げたジョー・トーリ元ヤンキース監督はどうか。
「トーリは人心掌握術に長けた指揮官だった。だからこそスター揃いのヤンキースで結果を出し続けることもできた。けれども、戦術や戦略の面では疑問符が付きましたけどね」と、当時を知る米メディア関係者がこう続ける。
「あれはフロリダのタンパで行われたスプリングトレーニングでした。三本間の挟殺プレーで、走者を本塁ベース寄りに追い込んで殺すシーンがあった。米テレビ解説者がトーリに『走者は本塁でなく三塁に追い込んで殺すのがセオリーではないのか』と水を向けると、『余計なことを考えたらミスをするだろ』と答えたのです。ヤンキース監督時代の12年間はすべてポストシーズン進出、1998年からワールドシリーズ3連覇を達成した名監督には違いないけれども、細かい采配や戦術となると得意ではなかったように思う」
そこへいくと松井監督はチームづくりで大切にしようと思っていることを聞かれ、こう言っている。
「まず、確率が高いものを大事にしていきたいなと思います。私の現役時代のイメージだと打つことってなっちゃうかもしれないですけど、やっぱり守備、走塁はできれば100%にしたい。確率が高いものを確実にしたいなと思う」
「しっかり準備して、一球一球集中して。準備とか試合に臨む姿は自分でコントロールできることだから。相手がないから、準備には。自分がコントロールできるものは100%にしてグラウンドに立って欲しいし、そこは徹底したい」
打つことや投げることは相手に大きく影響されるけれども、守備、走塁はそうではない。自分でコントロールしやすいものだけに、100%にして試合に臨んで欲しいというのだ。トーリとは監督としてのタイプが異なる。
松井監督は長嶋終身名誉監督の過去を振り返らない、常に前向きなスタンスに影響を受けたという。トーリ監督には「100%理論」を学んだ。120%の力を出そうと思いがちだが、20%を欲張ったがゆえに自分のスタンスまで崩してしまえば60%とか40%しか出せないことになりかねないという考え方だ。恩師2人のいいとこ取りはするだろうが、まったく違ったタイプの指揮官になりそうだ。(つづく)


















