八角理事長(4)強いうちにやめたかった…でも、ボロボロになってね
マイナス150度にもなる冷凍室にこもり、神経がマヒする間隙を縫って、1時間もの腰の筋力強化に努めた八角理事長。そこまで耐えるモチベーションはどこにあったのか、そしてリラックスするときはあったのか。どうやって気分転換をしたのか。今現在の生きがいは何か。そして、理事長の「心」に迫ります。
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──理事長の猛烈な稽古は聞いていましたが、改めて、凄い話をうかがいました。なぜ、つらいことに耐えられたんですか。勝ちたい、強くなりたいというのは、皆、同じだと思うんですが。
「育った環境かもしれないですね。真冬の極寒の十勝でも夜中に出て行く親父の姿、そんなDNAですかね。それと横綱の使命感ですね」
──責任感ですか?
「平成4年の5月8日、5月場所直前に引退したんですが、その前後は千代の富士、大乃国、旭富士と相次いで引退し、横綱は私一人になってしまったんです。だから、どうしても、と思っていました。この間、ヨーロッパ巡業とかありまして、土俵入りだけしました。やはり、横綱がいないと見に来てくれた人に申し訳ない。それは巡業でも同じです。お金払ってきてくれるんですから。でも、最後は力が入らない。土俵に上がれないんですよ。私はね、強いうちにやめたかった。でも、ボロボロになってね、やめたかったけど、次の横綱が出てくるまではやらなきゃいけないという葛藤ですね」
──理事長はリラックスするときは何をされるんですか?
「カラオケですね。10曲くらい歌わないと声は出て来ないね。トレーニングじゃないけど、声を出すようにやってます」
──十八番は?
「小田純平ですね」
──お酒はどれくらい飲むんですか?
「現役時代は夜6時くらいから夜中1時くらいまで飲みましたね。ビールだったら、多い時は20本くらい飲むときもありました。でも、当時はヘネシー1本かな、ステータスだったから。それが腰痛のときはビール1本。といって病院のリハビリ棟では飲めませんから、先生のご自宅でビール1本だけもらってましたね。日本酒を飲むようになったのは最近です」
──引退されてから何が変わりましたか?
「やっぱり、稽古がないので、楽になりました。新弟子のスカウトは大変ですが」
──理事長になられて10年以上ですが、そのストレスはどうですか?
「今は楽です。一番楽しいです」
──以前は貴乃花問題、白鵬問題といろいろ大変でしたね。
「価値観が違うんですね。私は伝統を守っていくことが進化であり、改革だと言っているんです。大相撲に関わっている方はたくさんいらっしゃる。続けていく努力をすることが必要なんですが、その辺の価値観の違いですね。本人がしたいことより、力士や大相撲関係者、ファンの方を守っていくことが大切なんです」


















