Jポップ以前(3)個性の違う2人の丁々発止で読ませる対談の魅力全開
「吉田拓郎から始める ロックスター列伝」田家秀樹、スージー鈴木著
世界中でJポップが大流行。特に人気なのがJポップの前、まだ「ニューミュージック」だった時代の音楽だ。
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「吉田拓郎から始める ロックスター列伝」田家秀樹、スージー鈴木著
「日本のロックは『はっぴいえんど』からすべて始まった」という「はっぴいえんど史観」。これに異を唱える新人類世代の音楽評論家がスージー鈴木。本紙連載でも知られる氏がひとまわり上の団塊世代の田家氏と語り明かす本書。
第1章「『吉田拓郎=フォーク』は史上最大の誤解である」からして世の通念に物申す。当時、ニューミュージックと呼ばれた新世代の音楽は、作詞作曲と歌唱までを自分でやるシンガー・ソングライターが中心。その一人だったユーミン(当時は荒井由実)が全盛のフォークを「四畳半フォーク」と呼んで誤解が広まったが、実は自作自演は吉田拓郎こそがハシリの代表格だった。
誤解の根底にあるのは邦楽より洋楽が格上という思いこみ。それが沢田研二の反骨や、初期の松田聖子の野太い声を聴き逃す原因になってしまった。本書はほかにも矢沢永吉、井上陽水、中島みゆき、桑田佳祐、浜田省吾、佐野元春、中森明菜、忌野清志郎、氷室京介らを論じる。氷室京介の歌唱には矢沢と吉田拓郎がミックスされているなど思わずニヤリとする発言が次々に出てくる。個性の違う2人の丁々発止で読ませる対談の魅力全開。
(集英社インターナショナル 1144円)


















