被災者らが負う心の傷とその再生│「藍色時刻の君たちは」前川ほまれ著
「藍色時刻の君たちは」前川ほまれ著
宮城県の海沿いの町に暮らす高校2年の小羽は、統合失調症を患う母の世話や家事に追われる。誰にも本音を明かせないが、唯一心を許せるのは同級生の凜子と航平だけだ。凜子はアルコール依存症の母親に代わって幼い弟の世話、航平は祖母の介護をしているのだ。そんな3人の前に、東京から来て、親戚の中華料理店を手伝う青葉が現れる。青葉は小羽、凜子、航平を見守り、それぞれの家族をいつか誰かの手に委ねるよう諭す。そんな中、青葉が人殺しだという噂が広がる。そして2011年3月、街は大地震後の津波に襲われる。11年後、パニック障害を抱えながら看護師として働く小羽は、東京で航平と再会したのを機に、今は亡き青葉について調べ始める。
ヤングケアラーや被災者が負う心の傷とその再生を描く第14回山田風太郎賞受賞作。
(東京創元社 1100円)


















